セキュリティ企業のTrend Microは米国時間2月17日、Microsoftによって先週パッチが公開された、「Internet Explorer 7」の脆弱性が悪用されていると警告を発した。
Trend Microが「XML_DLOADER.A」と呼ぶコードは、Word文書に隠されている。Trend Microのブログによると、パッチ未適用のシステムでこのファイルを開くと、ActiveXオブジェクトが自動的にウェブサイトへアクセスし、バックドアをダウンロードする。さらに、このバックドアが、情報を盗み出すためのDLLファイルをマシンにインストールするという。同コードによって、盗まれたデータはポート443を通じて別のウェブアドレスに送られると、Trend Microは述べる。
バックドアが仕掛けられるおかげで「誰もが影響を受けたシステムでコマンドを実行できるようになる」と、Trend Microでシニアスレットアナリストおよびリサーチャーを務めるJamz Yaneza氏は述べた。
Microsoftは、他の脆弱性とともに今回問題となった脆弱性のセキュリティパッチを先週公開している。同脆弱性は、削除されたオブジェクトへのアクセスを試みた際にブラウザがエラーを不適切に扱うことが原因である。
「目的は、概念実証もしくは標的型攻撃のようだ」とYaneza氏は述べた。今回のエクスプロイトは2008年の北京五輪の前に見られた政治的な意図をもった攻撃と類似している。当時の攻撃はPDFファイルやWord文書に含まれたエクスプロイトコードによって、自動的にコンピュータを悪質なウェブサイトに接続させるものであったと同氏は言う。
Yaneza氏によると、どうやら今回の攻撃によって導かれるサイトは中国にあり、コードの中にも中国語の記述があるという。またチベット蜂起から50周年にあたる3月10日が近づいていることから、今回の攻撃も政治的な意図をもった可能性があると同氏は述べた。
「ユーザーはOSへ速やかにパッチを適用するか、Windowsの自動更新機能を有効にする必要がある」とYaneza氏は言う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ