トレンドマイクロは2月9日、製造機器などの専用端末向けUSBメモリ型ウイルス検索ツール「Trend Micro Portable Security」(TMPS)を発表した。3月31日より受注を開始する。
TMPSは、検索エンジンとパターンファイルを内蔵したUSBメモリ型のウイルス検索ツールで、対象となる端末に接続してウイルスを検索、駆除し、隔離する。検索対象端末にセキュリティソフトをインストールする必要はなく、インターネットに接続していないオフライン端末も最新のパターンファイルでウイルスチェックが可能だ。
2009年の1年間に日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられたウイルス報告ランキングでは、USBメモリに関連するウイルス「MAL_OTORUN」が3617件で第1位となるなど、リムーバブルメディア経由で感染するウイルスの感染被害が増加している。オフラインで利用されている製造機器制御用PCなどの専用端末でも、業務上のデータ授受や機器メンテナンスの際にリムーバブルメディアを利用し、ウイルス感染したという事例が報告されたという。
専用端末がウイルスに感染すると、感染した端末で製造した製品にウイルスが混入して製品購入者まで感染が拡大するといったリスクがある。そのため、専用端末もウイルスチェックが必要だが、専用端末はパフォーマンス低下の懸念や、ソフトウェアをインストールすることで動作保証の対象外となるといった理由からウイルス対策が施されていないことが多い。そこでトレンドマイクロでは、ソフトウェアをインストールせずに最新のパターンファイルでウイルスチェックができるソリューションとしてTMPSを開発した。
TMPSの検索ツールは、検索プログラムをUSBメモリに内蔵しており、パターンファイルのアップデートや設定は管理プログラムをインストールした管理PCに検索ツールを接続して実施する。複数の検索ツールで実施したウイルス検索のログを1台の管理PCで一元管理することも可能だ。
TMPSの価格は、新規購入時における1年間のスタンダードサポートサービス料金と、ハードウェア保証を含む検索ツール1本あたりの使用許諾料金で2万4800円(税別)となっている。新規購入時の最低購入本数は20本。検索ツール1本で複数の検索対象端末のウイルスチェックが可能だ。2年目以降もソフトウェアのサポートを希望する場合は1年ごとに契約の更新が必要で、更新料は1本につき1万9800円(税別)となる。
トレンドマイクロでは、TMPSの今後1年での販売目標は2億円だとしている。