「LAMP」退治に乗り出したマイクロソフト--勝算はいかに

Martin LaMonica(CNET News.com)

2005-06-16 11:59

 Microsoftのエンジニアらは、同社のソフトウェアを、業務用途に適した堅牢さを持ち、大企業に受け入れられるものに変えようと、長年苦労を続けてきた。

 その同社がいま、別の難問に直面している。それは、ほとんどの用途で十分使い物になるオープンソースの競合製品を撃退する、というものだ。

 先ごろ開かれたMicrosoftの「TechEd」カンファレンスでは、同社の幹部らがオープンソース製品の侵略に対抗するために用意した製品について詳しく説明していた。

 特に同社は、いわゆる「LAMP」スタックに対抗する自社製品の改善に力を入れている。LAMPとは、Linux OS、ウェブサーバのApache、データベースのMySQL、そしてスクリプティング言語のPHP、Perl、あるいはPythonの組み合わせを指す。

 Microsoftの対LAMP戦略は、ローエンドの製品にさまざまな機能を詰め込み、開発から管理までをカバーする包括的なツールセットを構築して、Windows Serverの魅力を高める、というものだ。

 一般に、オープンソース製品は無償でダウンロードできることから、Microsoftは「Total Cost of Ownership(TCO)」の問題に関心を集めて、これに対抗する必要がある。同社は、全体的に見た場合Windowsアプリケーションのほうが長期的にコストを抑えられる、という主張に根拠があることを顧客に示さなくてはならない。

 Microsoft CEOのSteve Ballmerは、オープンソースは「入手コストの点でわれわれの製品を下回る初めての競合製品だ。通常は『われわれの製品のほうが安く、しかも優れている』という話で済むが、オープンソース製品に対抗するためには『TCOが少なく、しかも優れている』といった話が必要になる」と語った。

 LAMP、あるいはこれに類似する製品の組み合わせは、何年も前から存在している。しかし、LAMPの人気が高まるなかで、このオープンソースソフトウェアの組み合わせは、MicrosoftにとってLinux単体よりも大きな脅威となっている。これは、LAMPのパッケージが開発環境やデータベースを含んでいるからだ。

 Microsoftは、開発者がLAMPスタックを使っていることを以前から意識していたが、しかし数カ月前からはより組織的な対応をとるようになった。

 BallmerはTechEdの基調講演で、LAMPをWindowsと.Net開発ソフトウェアのライバルと呼び、Microsoftが「軽量ウェブアプリの開発」でLAMPを撃退できるとぶち上げた。

LAMPとの比較

 Microsoftは11月に「Visual Studio 2005」をリリースする予定だが、これには「Visual Web Developer Express」の新しいバージョンが同梱される。この新バージョンは、LAMPを利用することが多い比較的小規模なウェブ開発に的を絞って設計されたものだ。

 同時に、Microsoftは無償のExpressエディションを含む「SQL Server 2005」データベースのローエンドバージョンも2つリリースする。SQL Serverの「Workgroup Edition」のほうには、ビジネスインテリジェンス用のソフトウェアが同梱される。これは業務報告書類を作成するための製品で、一般的には高価なアドオンとして提供されているものだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  5. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]