サンフランシスコ発--新興企業のXenSource(本社:カリフォルニア州パロアルト)がXenソフトウェア上でのMicrosoft Windowsの起動に成功した。
XenSourceは米国時間23日、VT技術が実装されたIntel製プロセッサを使用して、Windowsを起動させたことを発表した。IntelのVT技術を搭載したチップは、2005年末までに出荷が開始される予定だ。XenSourceは、Xenソフトウェア上でWindowsを起動させるデモンストレーションを、当地で開催中のIntel Developer Forumで行っている。
1台のコンピュータ上で複数のオペレーティングシステム(OS)を稼働させるXen上では、Linuxは動作していたが、Windowsを動かすことはできなかった。しかし、LinuxだけでなくWindowsもサーバOSとして幅広く利用されているため、Xen上でWindowsが動作したことの意味は大きい。
XenSourceは2005年中に、Xenの利用者を支援する「XenOptimizer」という管理ソフトウェアを発売する予定だ。
XenSourceの共同創業者で、開発担当バイスプレジデントも務めるSimon Crosbyは、Xen上でWindowsを起動させるのは容易ではなかったと述べる。またCrosbyは、起動に成功したWindowsのバージョンがWindows XP Service Pack 2だったことを明かした。
Xenは、「ハイパーバイザー」とよばれるソフトウェアのレイヤで、プロセッサやメモリといったコンピュータ資源の各OSへの割り当てを管理する。ハードウェアを仮想化して共有することによって、1台のサーバ上で複数のタスクを簡単に処理できるようになる。
XenはOSの修正が必要な「準仮想化」のアプローチを採用している。最も広く普及している商用Linuxディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux」とNovellの「Suse Linux Enterprise Server」の次期バージョンには、Xenに対応するうえで必要な修正が施される。
もっとも、OSへの修正が必要な点は、IntelのVT技術が登場すれば解決する。Crosbyは、VTによって修正を加えていないOSにもXenが対応するように、Intelのエンジニアが支援してくれたと述べる。
一方、Intel最大のライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)は、2006年に登場予定の「Pacifica」という技術で、Intelの仮想化技術に対抗しようとしている。XenはPacificaとVTのチップ技術の違いを吸収するため「VMX」レイヤに対応している。
Crosbyによると、XenのエンジニアはPacificaをサポートする作業に間もなく着手するという。
「まもなく評価システムの準備が完了する見込みだ」(Crosby)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ