Oracleが、オープンソースプロジェクトである「Grails」に参加したと発表した。Grailsは、スクリプティング言語「Groovy」を積極的に活用することで、Javaプログラマの生産性向上を図るプロジェクトだ。
Grailsプロジェクトでは、Groovyを用いてソフトウェアコンポーネントをあからじめ記述し、ウェブアプリケーションの開発を高速化する開発フレームワークを構築していく。Grailsという名称は、スクリプティング言語「Ruby」を対象とした生産性フレームワークである、「Ruby on Rails」にちなんでいるという。
Groovyは、「動的」言語とも言われる、スクリプティング言語の一種である。動的言語は一般的に、高速性と単純性を追求するようデザインされている。「Python」やRubyなどのスクリプティング言語とは異なり、Groovyを使用して記述したコードは、Java仮想マシン(JVM)と連動した動作が可能だ。
Oracleの「Fusion Middleware」部門担当バイスプレジデントSteven G. Harris氏によれば、同社は一部のエンジニアをGrailsの活動に組み入れるという。Oracleは、米国時間5月16日から開催される「JavaOne」カンファレンスにおいて、Grailsへの参加を公式発表する予定である。同プロジェクトへの参加の背景には、スクリプティング言語への関心の高まりをうまく活用したいという同社の意図がある。
「開発コミュニティでは、Groovyスクリプティング言語の人気が急上昇している」(Harris氏)
Groovyは、開発者がJavaと同一の開発プロジェクト内で併用できるように作られている。
「スクリプティング言語が備える寛容性や生産性といった恩恵を享受しながら、同時に、Javaインフラストラクチャの高パフォーマンスや安定性および管理性のメリットも得られる」(Harris氏)
このほか、Oracleは来週のカンファレンスで、バックエンドデータベースに問い合わせを行うJavaプログラムの記述作業を簡素化するソフトウェア「TopLink Essentials」のリリースも予定している。
同ソフトウェアは、「Enterprise Java Beans 3.0」仕様に準拠しており、SunのオープンソースJavaアプリケーションサーバに搭載されることになると、Harris氏は話した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ