オープンソースビジネスソフトウェア企業のSugarCRMは来る8月、アプリケーションスイートの最新版をリリースし、新たな製品分野への進出を図る。
今回の「Sugar 4.5」のリリースは、2年前にSugarCRMが設立されて以来、最大規模のアプリケーションアップデートになると、同社の最高経営責任者(CEO)であり、共同設立者でもあるJohn Roberts氏は述べている。
8月中旬に提供が始まる予定の同アプリケーションでは、同社はAJAX技術を利用してウェブユーザーインターフェースを改良し、インタラクティブ性とカスタマイズ性が高められている。
2005年に生まれたAJAXという単語は、JavaScriptやXMLを含む複数のウェブ技術を組み合わせたものを指す。こうした一連のツールを用いてウェブサイトにインタラクティブ性を追加し、第一世代のブラウザの限界を打破しようとする開発者が、このところ増えている。
オープンソースモデルをアプリケーション事業に初めて適用した企業の1つであるSugarCRMは、2004年に設立された。同社の商用製品を使用しているユーザー数は、現在では800におよんでいる。Roberts氏によれば、同社は2600万ドルのベンチャー資金を調達しているという。
またSugarCRMは、同アプリケーションスイートを、Microsoftのウェブサーバやデータベース、開発ツールなどの製品向けに最適化したバージョンも開発した。同新版は、MicrosoftのShared Sourceライセンスの1つに準拠してリリースされる予定である。
Roberts氏によれば、同社はCRMアプリケーション以外の分野にも、徐々に手を広げていくつもりだという。その一例として、12月にリリースを予定している「Sugar 5.0」には注文管理機能が搭載されると、同氏は述べている。そのほかにもSugar 5.0ではマーケティング自動化機能などが強化され、既存のCRMアプリケーションを補完する製品になる見込みだ。
「当社のアプリケーションスイートは進化を続けている。今では、人事採用管理機能やプロジェクト管理機能も備えるようになった」(Roberts氏)
Roberts氏は、開発中の製品のソースコードを公開するという同社の方針によって、開発者は迅速に顧客の要望に応えたり、機能強化に関わる新たなアイデアを考え出したりできるようになったと述べている。
「当社が開発過程で得ているフィードバックは、これまで見たことがないほど詳細なものだ。謙虚であると同時に大胆なソフトウェア開発法と言えるが、これこそがよりすぐれた製品を生み出す秘訣なのである」(Roberts氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ