SAPジャパンは6月19日、同社が推進するエンタープライズSOAの今後の展開と、それを実現するプラットフォームである「SAP NetWeaver」のロードマップを発表した。この発表は、米国(アトランタ)およびオーストリア(ウィーン)で開催された「SAPPHIRE '07」で明らかにされた内容に基づくもの。
アトランタで開催された「SAPPHIRE '07 Atlanta」では、SAPのCEO(最高経営責任者)であるHenning Kagermann氏が、エンタープライズSOAが採用される2つのビジネス上の理由として「変化の加速」と「革新の分化」を挙げている。
「変化の加速は、たとえば20分ごとにどこかの会社が買収され、3分半ごとに新しい消費者向け製品が発売されている現状。革新の分化は、製品供給者からソリューションプロバイダーへの変化が競争力になるといったビジネス環境の変化を表している」(Kagermann氏)
このように変化に迅速に対応しながら、企業の競争力のある分野において革新を行っていくという、相反するビジネス上の課題を解決するためのアーキテクチャとして開発されたのがエンタープライズSOAだという。
SAPのエンタープライズSOAでは、SAP ERP 6.0はもちろん、既存のレガシーシステムや非SAPアプリケーションもコンポジットアプリケーションとして融合させることで、ビジネスプロセスの組み替えを柔軟に実現できる仕組みを提供する。
SAPジャパン バイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部 本部長の福田譲氏。
SAPジャパン バイスプレジデント ビジネスプロセスプラットフォーム本部 本部長である福田譲氏は、「カスタム開発のアプリケーションとパッケージアプリケーションを柔軟に組み合わせるという、これまでのシステム開発の常識を覆すのがエンタープライズSOAであり、これはまさにパラダイムシフトだ」と話す。
このエンタープライズSOAを実現するための中核となるテクノロジが、SAP NetWeaver 7.0であり、このSAP NetWeaverとSAP ERP 6.0を組み合わせたのが「ビジネスプロセス・プラットフォーム(BPP)」だ。
BPPは、SAP NetWeaverとエンタープライズサービスリポジトリを中心に、エンタープライズサービスを提供するコアアプリケーション群を統合し、サービスの定義や開発、既存システムのサービス化などを行うプロビジョニング機能など、エンタープライズSOAを実現するために必要なさまざまな機能で構成されている。
SAP NetWeaver 7.0の今後のロードマップでは、2007年第3四半期にSAP GUIと呼ばれていたインターフェースの最新版「SAP NetWeaver Business Client」およびWeb2.0対応ポータル機能である「SAP NetWeaver Portal Collaborative Portal」がリリースされる予定。
さらにSAP NetWeaverの次期バージョン、SAP NetWeaver 7.1もリリースされる計画。2007年5月より「SAP NetWeaver Composition Environment」および「SAP NetWeaver Mobile」がRamp-up出荷中で、2007年第3四半期より「SAP NetWeaver Process Integrator」のRamp-up出荷が予定されている。
さらにハードウェアパートナー企業との協業により、SAPとしては初となるアプライアンス製品も提供。2007年6月20日より、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が、既存のビジネス・インテリジェンス(BI)環境を20〜200倍高速化するBI高速化エンジン「SAP NetWeaver BI Accelerator powered by HP」の出荷を開始している。
アプライアンス製品としては、このほかにもマイクロソフトと開発中の「Duet」(2007年第2四半期に米国でリリース予定)や、企業の情報を高速に検索するEnterprise Searchアプライアンス(2008年、日本向けにリリース予定)の提供も計画されている。
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