BSA(ビジネス ソフトウェア アライアンス)は2月5日、パソコン用ソフトウェアの違法コピー率を低下させることで得られる経済効果をまとめた調査資料「2008年IDC世界違法コピー経済効果調査」を発表した。この調査は、IDCがBSAの委託を受け実施したもの。
調査資料によると、日本の違法コピー率が今後4年間にわたって10%低下した場合(現在は25%)、1万2400人の新たな雇用を創出するとともに、89億ドル(約9790億円)のGDP浮揚効果、20億ドル(約2200億円)の税収増という経済効果が見込まれるとしている。
またアジアでは、ソフトウェアの違法コピー率が今後4年間のうちに10%低下するだけで、43万5000人の新たな雇用の創出、400億米ドル超分の経済成長の加速化、現在の予測値を50億米ドル超上回る税収が見込まれるとしている。違法コピー率が高い国ほど効果は大きく、現在82%という中国の違法コピー率が10%低下すると、IT労働力は4年以内に世界最大規模になり、米国のIT労働者人口を上回る可能性がある。
さらに中国のIT雇用者数は35万5000人増加し、2011年までに総IT雇用数は350万人近くに達すると思われる。雇用数の増加によって、IT支出の年間伸び率も、2008年から2011年までの間に10.3%から13.7%に上昇することが見込まれる。同様にロシアの違法コピー率が10%低下すると(現在は80%)、ロシアのITセクターの規模は4年以内にインドのITセクターを上回り、IT市場の成長速度で世界のトップスリーに名を連ねる可能性もあるという。