サンフランシスコ発--Dellの最高技術責任者(CTO)Kevin Kettler氏が、仮想マシン構築を容易にするうえで、Linuxが重要な役割を担うと述べた。
同氏は、当地のMoscone Centerで開催中のLinuxWorldカンファレンスで講演し、オープンソースOSであるLinuxの成長(2011年までにライセンス収入が10億ドルに到達するという期待を表明した)や、企業のデータセンター、ビジネスコンピューティング、コンシューマーアプリケーションへの影響について語った。
最近成長しているとはいえ、世界的なシェアを持つMicrosoftの有料OSを利用した総合的なサーバ環境などから見ると、Linuxは遅れている。Kettler氏は、Linuxと仮想化ソフトウェアを組み合わせて使うのはそれほど奇妙なことではなく、むしろ「非常に強い相互的な好影響がある」と述べた。再度盛り上がりを見せる仮想化のトレンドにおいてはとくに、その傾向が強いのだという。
同氏は「より手軽な仮想マシンの利用手段を提供することが、仮想化環境向けのLinux利用の推進につながる」と述べた。
仮想化は、1台のコンピュータで複数のOSの仮想マシンを実行することを指す。Dellは2007年前半にも、仮想化のトレンドに乗じたい意向を示している。
企業のデータセンターの管理や統合にLinuxと仮想化ソフトウェアの組み合わせを利用することは、Dellがホームベースでやっていることと同じ戦略である。Kettler氏によると、社内の従業員、サプライチェーン、財務などを管理する、ミッションクリティカルなアプリケーションを稼働するものも含めて、同社にはLinuxを実行する自社サーバが3000台あるという。
同氏は、2006年のLinuxWorldと比べて、ビジネスクライアントの反応はかなりよくなったと述べた。同氏が話を聞いた大勢のCIOたちは、ネットワーク上のマシンへの攻撃やウイルスダウンロードによるセキュリティ侵害について心配していたが、用途別に設定した仮想マシンにより損害を食い止めることが可能なのだという。
Kettler氏は「ウェブブラウズ専用の仮想マシンを作成すると、どうなるだろうか?マシンをウェブブラウズ専用に使っている場合、何かダウンロードすべきでないものをダウンロードしてしまっても、マシンをシャットダウンして最初からやり直すことができる」と述べた。他のマシンには影響を与えず、他の作業を中断することもなく、そのような処理が行えるという。
同氏は、上記の機能がデスクトップマシンでも利用可能になるのは「そう遠くない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ