Linuxディストリビューションである「Ubuntu」の開発者らが、10月にリリース予定の「Gutsy Gibbon」版の5番目となるプレリリース版を公開した。このGutsy Gibbonのメジャーリリースでは多くの重要な機能が追加される予定。
開発者らは5月から「Gutsy Gibbon」のプレリリース版を公開してきたが、今週リリースされるアルファ5版「Tribe 5」には、10月末にリリースされる完成版に追加予定の重要な機能の多くを試すことができる。
Ubuntuを設計する上での第一目標は使いやすさだ。新たに追加される新機能のいくつかは、ユーザーインターフェースや設定調整機能となっている。例えば、モニタ設定を調整するためのグラフィカルインターフェースが新たに追加された。
このインターフェースの目的は、以前はユーザーがコマンドラインに頼らざるを得なかった設定、すなわち、グラフィックカードドライバの選択、デュアルモニタの設定、すべてのユーザー向けのデフォルト解像度の変更またはモニタのリフレッシュレートの変更、などを容易にすることにある。開発者らによると、Ubuntu版Firefoxがアップデートされ、新しいプラグインファインダウィザードや統合型拡張機能マネージャが追加されているという。
また印刷機能の見直しも行われた。仮想の「PDFプリンタ」がデフォルトで設定され、すべてのアプリケーションのPDFフォーマットへの出力が可能になっている。また開発者らによると、従来のプリンタ管理システムに代わって新しい設定ツールが導入され、これによりプリンタの設定は、プリンタをコンセントにつなぎ、スイッチを入れるだけで完了するという。またTribe 5には、Linux用デスクトップ環境であるGnomeの最新版が搭載されている。この最新版は、いずれGnome 2.20としてリリースされる将来版のパブリックテスト版。
完成版に追加予定のその他の新機能としては、より高速なデスクトップ検索、ユーザーの高速切り替え、新しいデスクバーアプレット、さらにNovellからオープンソースソフトウェアとしてリリースされたAppArmorセキュリティフレームワークなどが挙げられる。完成版は10月18日にリリースされる予定。
2008年4月にリリース予定のGutsy Gibbonの後継版「Ubuntu 8.04」が、長期サポートが提供されるUbuntuの次期版となる。
Ubuntuのスポンサー企業であるCanonicalは、長期サポート版を2年ごとにリリースする予定だと発表した。Feisty Fawnというコード名で呼ばれるUbuntuの現在の完成版には、新版への移行支援機能、KVM仮想化技術、さらにコーデックや制限付きドライバといった機能をインストールするための簡易化されたメカニズムが搭載されている。
Canonicalでは、Ubuntuのローカライズ版を促進する目的で設置された、いくつかのサーバがセキュリティ侵害を受け、他のサーバへの攻撃に利用されたが、同社は8月に入ってから、Ubuntuをめぐるセキュリティ問題を一蹴した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ