暗号化キーの管理はセキュリティーの最重要課題になった。そう語りつつHewlett-Packard(HP)は企業内で用いる暗号を管理するための装置を発売した。
HPは、米国時間10月29日、ドイツ・フランクフルトで開催されているStorage Networking World Europe 2007において、暗号機器のキー管理を統合するStorageWorks Secure Key Managerを発表した。対象は、中規模から大規模の企業。
HPによると、キーがなければシステムへの侵入を不可能とする暗号化を採用する企業は増えているという。
ドキュメントを安全に保つには、ドキュメントが利用されるたびに新しいキーを発行しなければならない。そのため、慎重に管理すべきキーは数千ときには数百万にもなる。
それぞれのキーは1つしかなく、他のものによる代替もできない。したがって、きわめて重要なドキュメントのキーを失うと破滅的な結果に至る恐れがある。HPのNearline Storage部門担当バイスプレジデントであるBob Wilson氏は、このように説明する。
「キー管理は、セキュリティー問題の鍵を握っている。これは言葉遊びではない。(当社のキー管理装置により)全社レベルのキー管理が可能になった」
HPのStorageWorks Secure Key Managerがサポートするのは当面LTO-4テープライブラリなどの自社ハードウェアだけだが、他社製品にも広げたいという。暗号化データの送受信に必要な装置2台から成る最小クラスのシステムは5万9900ドル。追加装置は3万2900ドル。
同時に、StorageWorks 9000 Virtual Library Systemも発売された。2段階式バックアップシステムで、ディスクにバックアップされたデータは、暗号化されてテープに移される。価格については未発表。
HPやIBMなどによると、企業が保管すべきデータが増え、データの保管法としてはテープが最も安価なため、今、テープの利用が復活しつつあるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ