世界最大規模のセキュリティイベント「RSA Conference 2008」が4月8日(米国時間)、米サンフランシスコのMoscone Centerで開幕した。開催初日の午前に行われた基調講演には、EMCのExecutive Vice Presidentで同社セキュリティ部門RSAのPresidentを務めるArthur Coviello氏が登壇した。
Arthur Coviello氏
EMCは2006年にRSA Securityを買収し、ストレージ関連製品にセキュリティ技術・製品を加え、新たな道を歩み始めている。この買収案件やIBMによるInternet Security Systemsの買収などから、セキュリティベンダーらの間では、独立系のセキュリティ専業ベンダーが年々減少しつつあることを危惧する声も聞かれた。
Coviello氏はセキュリティベンダーの買収をざっと数え上げてみせる。
- EMCのTablus買収
- GoogleのPostini買収
- OracleのLogica買収
- HPのSPI Dynamics買収
- IBMのWatchfire買収
- SAPのMaxware買収
- MicrosoftのKomuku買収
何故、セキュリティ専業ベンダーが買収されるのであろうか。Coviello氏は大胆にも、ITセキュリティはセキュリティ専業ベンダーに任せておけないと語る。
それと言うのも、かつてのセキュリティ対策は、全てのライン、全ての層を、100%保護するようなアプローチが取られてきた。「保護の壁」をそこかしこに構築しようとする試みといえる。しかし現在は、ビジネスプロセスのコアの部分においても、従業員・顧客・パートナーが、国境・組織を超えてコラボレーションすることが求められている。このような時代において、保護の壁を新たに打ち立てるやり方は、賢いアプローチと言えないだろう。
Coviello氏は新たなアプローチを下記の5点にまとめてみせる。
- Risk Profile
- Collect and Analyze Data
- Solve the Knowledge Gap
- IT Infrastructure
すなわち、まず初めに企業にどのようなリスクがあるのかを洗い出す(1)。次にそのリスクを収集・分析し(2)、従業員や顧客の間に存在するITリテラシーのギャップを埋めるための対策を取る(3)。そして最後に、その対策をITインフラに落とし込むというアプローチだ。
Coviello氏の講演で何度も耳にした「Thinking Security」という言葉は、このアプローチを示すもの。また、このアプローチで重要なのは、対策を利用する「人」、対策を通じて運用される「プロセス」、対策を支える「技術」にあるとも指摘している。
Thinking Security
先の大胆な台詞は、4の「IT Infrastructure」を念頭に置いた発言といえる。Coviello氏は、「セキュリティはITインフラから考えられるべき」だと強調しているのだ。
「保護の壁」建設をやめ、新たなアプローチを取ること──Coviello氏はセキュリティと情報・ユーザーを直接繋ぐような仕組みを構築することが重要とし、「Information-Centric Security」という新たなコンセプトを紹介。2番目の基調講演のスピーカー、Symantec会長兼CEOのJohn Thompson氏と交代した。
ZDNet Japanでは、RSA Conference 2008のレポートを順次掲載します。
関連情報
-
RSA Conference 2008が間もなく開幕--今年のテーマは「チューリング」
情報セキュリティの祭典とも言える「RSA Conference 2008」が間もなく開催される。今年も暗号研究だけでなく、ネットワークセキュリティから国家の安全保障まで、幅広く議論が展開される。 - 日立、ID管理ソリューションのカナダ企業を買収
- IBM、仮想化環境向けのセキュリティ構想「Phantom」を発表へ--RSA 2008で
- セキュリティのゼネラリスト目指せ--暗号研究の第一人者が語る人材像
- セキュリティ業界--買収ラッシュで進む再編 [From CNET Japan]
- RSA Security
- RSAセキュリティ
- EMC
- EMCジャパン
「セキュリティ」 の新着情報
-
Internet Explorer 8:企業にとって魅力的な機能は何か?
Microsoftは今週テスターに提供し始めた「Internet Explorer 8 Beta 2」のReviewer’s Guideのなかで、同社が企業ユーザーにと... - グーグル、ビジネス用途を中心に「Google Calendar」を改良
- US-CERT、SSH鍵を使ったLinuxシステムへの攻撃を警告
- マイクロソフト、Internet Explorer 8のベータ2をリリース
- 「iPhone」のパスコードロックに深刻な脆弱性--連絡先情報が読み取られる危険も
- セキュリティ 一覧へ »
「セキュリティ」 のバックナンバー
-
US-CERT、SSH鍵を使ったLinuxシステムへの攻撃を警告
セキュリティアドバイス機関であるUS Computer Emergency Readiness Team(US-CERT)が、Secure Shell(SSH)暗号化プロトコルを利用したLinuxシステムへの攻撃について警告している。 -
Ubuntuにセキュリティパッチ--ユーザーに適用を呼びかけ
-
トレンド、企業内で未知の脅威を可視化・処理するソリューションを発表
-
「Android」のセキュリティチーム、コミュニティーにバグ発見と報告を要請
-
「VMware ESX 3.5 Update 2」に時限爆弾式の不具合--修正パッチが公開に
- セキュリティ 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【今注目のIT企業は何を考える…??】
オススメIT系求人情報も毎週月曜日更新! -
コラボレーション基盤特集
Notes置換とバージョンアップの情報はこちら
企画特集
-
セキュリティ対策レベルテスト公開!
自社のセキュリティのウイークポイントはドコ? -
Webセキュリティ特集
Web2.0時代の脅威へ対抗するためのソリューションとは? -
仮想化環境で求められるストレージの要件
それに応えるNetAppの実力とは? -
ZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ! -
「シンプル」&「低コスト」な運用管理
IT運用管理に関するアンケート実施中! -
Techno Exchange
RackableとCTCの地球にやさしい関係 -
ZDNet Japan ホスティング特集
2008年夏のホスティングサービスのトレンドは何? -
APC SOLUTIONS FORUM 2008をレポート
電源、冷却の効率化によるエネルギー削減とは? -
DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜 -
IronPort Sシリーズ
Webからの脅威に関する課題の3つの解決方法 -
SaaSで開発効率UP!
SaaSでできる、ソフトウェア開発情報の一元化とは -
Secure Web
Web2.0時代にプロアクティブなセキュリティを実現!!