サン・マイクロシステムズは12月25日、長野県上伊那郡辰野町の情報系システムでシンクライアント端末「Sun Ray Virtual Display Client」が採用され、本稼働を開始したことを発表した。長野県内の自体としては初めての事例になる。
辰野町では、町民の情報を取り扱う基幹系システムと切り離して情報系システムを運用している(基幹系システムは上伊那地区8自治体が共同で運営する「上伊那情報センター」で集中管理されている)。その中で、情報系システムにおける高度なセキュリティポリシーへの対応、運用・管理の効率化、およびTCOの削減を目指し、Sun Rayの導入を決定した。
今回導入されたSun Rayは、同町の情報系端末(ウェブやメール、グループウェア、オフィス製品)として利用されることになっている。加えて同町の利用形態でユニークなのが、消防署への導入だ。
消防署は交替制勤務のため、1人につき1台の端末を用意することが効率的ではなかったが、Sun RayによりICカードを差し替えるだけで1台の端末を使い回せるようになった。また、ほかの市町村へのSun Rayの導入が進んだ場合、異なる地域の消防署間での連携が可能となり、作業効率が上がることが期待できるという。
導入端末台数は40台。今後200台までの増設を予定している。導入されたシステムは以下のようになっている。
- ソフトウェア
- OS:Solaris 10
- オフィス製品:StarSuite 8
- ブラウザ:Firefox
- メール:Thunderbird
- ハードウェア
- Sun Fire V210:2台
- Sun Fire V240:1台
サンによれば、Sun Rayは全国各地の自治体から多くの引き合いが来ており、長野県辰野町をはじめ、東京都江東区、高知県大正町(現・四万十町)などでSun Rayが稼働しているという。