IDC Japanは8月30日、2010年第2四半期(4〜6月)の国内サーバ市場動向を発表した。これによると、2010年第2四半期の国内サーバ市場規模は前年同期並みの943億円、出荷台数は前年同期から21%増えて11万7000台となった。
同市場は、前期まで6四半期続けて2桁のマイナス成長だったが、今期は、前年同期並みの出荷金額に戻した。また、出荷台数では前期に続き2桁のプラス成長となった。
2010年第2四半期の市場動向を製品分野別にみると、x86サーバとIA64サーバが好調を保持し、出荷金額を前年同期から25%超増やしている。x86サーバは、情報サービス業向けの出荷が好調。また、IA64サーバは、通信、金融、流通業向けに大型案件があったことが要因となったとIDCでは説明している。一方、メインフレーム、RISCサーバは、前年同期から20%を超えるマイナス成長となった。
ベンダー別では、日本IBMが首位を獲得した。同社の首位獲得は、2008年第2四半期以来、2年ぶりとなる。今期は、メインフレームとx86サーバが好調だった。2位には、今期IA64サーバとx86サーバが好調だった日本HPが獲得した。同社の2位獲得も、2007年第4四半期以来のことになる。3位のNECは、x86サーバは好調だったが、他の製品分野が振るわなかった。前期まで3四半期連続で首位だった富士通は4位に後退した。x86サーバは好調を維持したが、メインフレームで目立った大型案件がなかった。5位は、メインフレームで大型案件があった日立製作所となった。
一方、出荷台数では前期に引き続き日本HPが1位を獲得した。しかし、2位のNECとは0.5ポイント差で、出荷台数の首位争いは前期に引き続き接戦となった。3位以下は、富士通、デル、IBMの順だった。
IDC Japan サーバ リサーチマネージャーの都築裕之氏は「2008年後半から景気後退の影響により、出荷の低迷が続いていた。しかし前期にあたる2010年第1四半期は、市場の上昇基調の兆しが見えた。そして今期は、前期からさらに改善した。特に、出荷台数の成長率は、2009年第2四半期から今期までに、マイナス27.3%、マイナス12.6%、マイナス4.2%、プラス10.2%、プラス21%とV字回復を達成している。景気後退の影響から購入を控えていたユーザーが徐々に戻ってきていることと、情報サービス業者向けの出荷が好調であることが、これに貢献している」と説明している。