ニッセイ情報テクノロジーは、従業員1万人が利用する大規模デスクトップクラウド環境を構築し、10月1日より利用を開始する。製品面では日本IBMとシトリックス・システムズ・ジャパンが、設計構築面では日立製作所がそれぞれ関わっている。
5カ月をかけて構築中のデスクトップクラウド環境は、9月から試験運用として100ユーザーが利用中。この10月から1000ユーザーへと利用範囲を拡大させ、将来的には全社員に展開したい考えだ。本プロジェクトの費用は数千万円規模と考えられる。
ニッセイ情報テクノロジーは、保険業界向けソリューションをクラウドサービスとして提供するための基盤構築に取り組んでいる。今回発表されたデスクトップクラウド環境は、この基盤の上に構築される。
具体的には、社員が共通して利用する決裁システムや勤務管理システム、メールシステムなど、約10の業務アプリケーションやグループウェアをデスクトップクラウドで提供する。同社では、クライアント端末ごとにアプリケーションをインストールすることなく、ユーザーの権限に応じて活用できるようになるとしており、端末管理を集約することで約40%のコスト削減効果を見込んでいる。加えて、どのクライアント端末からでもアプリケーションを利用できるようになるため、端末機器に縛られないワークスタイルの変革を実現するとしている。
今回のデスクトップクラウド環境構築にあたり採用された製品は、日本IBMのx86ブレードサーバ「IBM BladeCenter HX5」と、ディスクストレージ「IBM XIV Storage System」。そして、シトリックスのデスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop Enterprise Edition」と、ウェブアプリケーション・デリバリ・コントローラの「Citrix NetScaler」。特にXenDesktopに含まれる「Citrix XenApp 6」のアプリケーション仮想化機能を活用しているのが特徴で、1万ユーザー規模でのアプリケーションストリーミング機能の実装は国内初になるという。
デスクトップ仮想化の設計と構築は、日立製作所が支援している。ニッセイ情報テクノロジーでは、日立のシンクライアント領域での実績を評価し、システムインテグレーションを委託したとしている。