9月1日は防災の日。1923年9月1日に発生した関東大震災の教訓を忘れないようにと制定された日だ。災害は地震だけではない。2001年9月11日にニューヨーク世界貿易センタービルで起こった同時多発テロ事件(9.11)や、2003年8月に米国とカナダで発生した大規模な停電、さらにはつい最近8月14日にも、東京、神奈川、千葉など首都圏で合計約139万軒を巻き込む停電が発生した。
14日の停電は、旧江戸川を横断するクレーン船が東京電力の特別高圧送電線に接触するという想定外の事故だった。これは人災だったといえるが、人災・天災に関わらず、災害はいつどういった形で襲いかかるかわからないということをあらためて認識した人も多いだろう。このような事態に備え、企業はどのような対策を施すべきなのか。防災対策ソリューションを提供する企業に、そのソリューションや対策トレンドを聞いた。
APCのアプローチ
米ロードアイランド州に拠点を置くAmerican Power Conversion(APC)は、ITシステムの運用に必要となる物理インフラ(NCPI:Network-Critical Physical Infrastructure)のソリューションを提供している。NCPIとはつまり、UPS(無停電電源装置)やケーブル、ラック、冷却・空調などを指す。
APCジャパン セールスマーケティングプランニング部 マネージャの千歳敬雄氏
こうしたNPCIは、「これまで電源であれば電力会社が担当し、空調であれば空調装置メーカーが担当するなど、担当分野が分かれていた。しかし、NPCIはネットワークの可用性を高めるにあたって一番重要な基礎部分。この部分を一括で管理できるようなソリューションを提供するというのがAPCの考えだ」と、APCの日本法人であるAPCジャパン セールスマーケティングプランニング部 マネージャ 千歳敬雄氏は話す。
APCでは、物理インフラを標準化およびモジュール化するというアプローチで製品を提供している。まず標準化の理由は、誰もが簡単に使うことができなければ、トラブルがあった際に対応が遅れる可能性があるためだ。「作った人だけが仕組みを理解しているといった属人的なシステムは使いにくい。カスタマイズが進みすぎると、問題が起きた場合、問題の原因もカスタマイズされてしまう。標準化されていれば部品も手に入りやすく、問題解決も特別なスキルがなくても対応できる」(千歳氏)
モジュール化については、「メンテナンスが容易だ」と千歳氏。部品ごとにメンテナンスができるため、障害の際に障害部分が特定しやすくなる。必要な部品は随時追加できるので、無駄な投資も避けることができる。
「ディザスタリカバリ(DR:災害復旧)における最重要事項は、復旧のスピードだ」と千歳氏は話す。災害で本サイトが被害を受け、バックアップサイトを利用する場合、長期間に渡ってバックアップサイトのみを使い続けるわけにはいかないためだ。本サイトの復旧に時間がかかり、バックアップサイトに人やデータが完全に移ってしまうと、今度は逆に本サイトへとリソースを戻すことも大きな負担となる。
「標準化やモジュール化ができていれば、復旧までの時間が少なくなるのは明らか。システムの可用性も上がり、拡張性にも優れているため、変化にも柔軟に対応できる。APCの製品は、こうした考えの下、標準化とモジュール化を進めている」(千歳氏)
防災意識を高めよ
企業の災害に対するこれまでの意識は、「長時間に渡って事業が復旧できないほどのトラブルはまず起こらないだろう」というものが一般的だった。災害復旧計画を立ててはいるが、実際にテストすることは困難でコストがかかるため、災害が起こらないことを祈りつつ、災害を想定した訓練などは実施していないケースが多かったのだ。それが、特に米国では9.11のテロ以降、「災害は必ず起こる」という意識で戦略を立てる企業が増えているという。
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