「ビジネスインテリジェンス(BI)」という言葉が、ITの世界で、今、改めて注目を集めている。ユーザーの関心が高まっているのはもちろん、オラクル、マイクロソフト、SAPといった市場のメジャープレイヤーたちも、BI周辺での動きを加速させている。
独立系のIT調査・コンサルティング会社であるアイ・ティ・アールが発行した「ITR Market View:BI市場2007」によれば、2006年度における国内BI市場規模は出荷金額ベースで157.5億円で、これは前年比10.5%増の堅調な伸びを示しているという。また、2007年度においても、2006年度以上の成長率を予測している。
アイ・ティ・アール、シニア・アナリストの生熊清司氏。
こうした市場の成長を支えているのは、ユーザーにおける「情報の可視化」に対するニーズの多様化である。アイ・ティ・アール、シニア・アナリストの生熊清司氏は、消費者の購買行動の変化に呼応して、ユーザーは、従来のような意思決定支援ツールとしてのBIに、より高いリアルタイム性と、多様な機能を求めるようになっていると分析する。
「旧来のマスマーケティング的な手法は、既に通用しなくなった。消費者の価値観は多様化し、商品の寿命も短くなっている。そうした市場においては、四半期から月次、週次、日次といったかたちで、ほぼリアルタイムに動向を分析し、マーケティング手法や生産量までを調整することが求められるようになる。また、意思決定のスパンが短くなると、BIツール自体の利用者も、従来のアナリスト的立場の人だけでなく、より現場に近いところへと広がっていく」(生熊氏)
前出の「ITR Market View:BI市場2007」では、BI市場の対象分野として「ETL」「データ分析/レポーティング」「データ・マイニング」「テキスト・マイニング」の4つを挙げている。旧来のBIといえば、データベース上の構造化データのみを対象にしたものがイメージされるが、現在では「広義のBI」として、テキスト・マイニング分野も重要な位置を占めるようになっているという。
ウェブでの購買行動が一般化し、コンテンツとしての「テキスト情報」が、メールやウェブサイトなどでリアルタイムに飛び交うようになった現状を踏まえると、従来の構造化データに加えて、テキストのような非構造化データも分析対象に加えることで、より即時性のある分析、意思決定につながると考えられるためだ。
こうした経営環境やシステム環境の変化が、BIと呼ばれる市場を、従来のものよりも大きく押し広げている。
「景気が下り坂にある時には、業務のプロセスに着目してムダを省くという視点で、ERPやBPRなどが注目を集めてきた。もちろん、プロセス改善のためにも、分析は重要な役割を果たすが、さらに景気が上向いてくると、今よりも売上を伸ばしたり、利益を高めていく方向へとユーザーのマインドは変化する。この流れの中で、BIの考え方は、今後も注目を集め、市場を伸ばしていくだろうと予想している」(生熊氏)
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