Internet Explorer(IE)8の「Beta 2」は8月までリリースされる予定はないが、Microsoftはウェブサイトの保有者に対し、この新しく標準遵守性が高まったブラウザの引き起こしうる問題に備える必要があると警告している。
今週の「IE June Security Update for IE8 Beta 1」の一環として、Microsoftは新しいタグ「IE+EmulateIE7」を導入した――これはIE8 Beta 1のテスターから受けたフィードバックに基づき、同社が生じうると予想する非互換性問題のいくつかを阻止することを期待しているものだ。
IE Blogの米国時間6月10日付の投稿で、IEチームのメンバーはサイト保有者――その多くは標準遵守性の低い、以前のIEバージョンで正確に表示されるようにサイトを設計している――に対し、コンテンツが「シームレスに表示され続ける」ようにIE8にむけて「準備をすすめる」必要があると指摘していた。
Microsoftは今年に入り、IE8では「super-standards」モードをデフォルトに設定することを決定した。super-standardsモードはIE8でサポートされる3つのモードのひとつである。ほかの2つは、現在のIEのページやアプリケーションと互換性のある「quirks」モードと、IE7で提供されているのと同じもので、現在のコンテンツと互換性のある「standards」モードである。
(Microsoftは当初、super-standardsモードをオプトインの選択肢とし、IE7の「standards」モードをデフォルトとする計画であった――そうすることで既存のウェブサイトやアプリケーションとの後方互換性がよくなるように確保できるとMicrosoftは主張していた。しかしこの決定は、MicrosoftがIEの標準遵守性改善のコミットメントについて責任を転嫁しようとしていると感じた人々の怒りをかった。)
10日のブログ記事は以下の通りである:
「これまで受け取ったIE8 Beta 1に関する素晴らしいフィードバックに応えて、この問題に対応するための『IE=EmulateIE7』タグを導入する。EmulateIE7はIE8に対し、IE7 StandardsモードではstandardsのDOCTYPEを、QuirksモードではQuirksの DOCTYPEを表示するように伝える。われわれはこれが多くのケースで好まれるIE7互換性モードとなると考えている。IE=EmulateIE7へのサポートは今、IE June Security Update for IE8 Beta 1の一部として提供されている。このアップデートをインストールすると、自分のサイトに正しくEmulateIE7タグが適用されたことを検証できるようになる。
MicrosoftはIE8の最初のベータ版を3月にリリースした。同社関係者はIE8の最終バージョンの出荷時期についてはコメントを拒んでいる。
Microsoftのブログ記事に対するコメンテーターの反応は入り混じっていた。同社は標準遵守性を改善したIE8への移行を容易にするために正しいことをしているというものもあれば、サイトやアプリケーションがシームレスに表示され続けるように設計するためには、同社がIE8で修正する計画のバグについてもっと情報が必要だと論じる批判的なものもあった。
コメントをしている「Henry」は以下のように論争に加わった:
「IE8を全面的にサポートしたい。できる限り標準に遵守した形で。しかしわれわれがそれを正しくサポートするためにも、IEが何をサポートする予定であるのかをどうしても知る必要がある!」
投稿者の「Mike」からは以下の通りだ:
「これについては何も問題はないけど、IE8に何が含まれるかについて、なんらかのガイダンス、えーたとえばロードマップ?!のようなものがあれば、ものすごく助かると思う」
IEチームは11日、IT専門家向けの何らかの新機能がIE8のBeta 2で登場することについてブログに投稿していた。特にIE8をVista(しかしXPではない)のイメージに最初から組み込むことができる機能、そしてアプリケーションやウェブサイトとブラウザとの互換性を改善することを目指した新たなグループポリシー設定が追加されることである。Microsoftは先週、これらの新機能をTech Ed 2008で公表した。
Microsoftが最終的にIE8を提供する際に何が起こるかについて、読者はどのように予測しているか?標準遵守性が向上したために、試してみようとするユーザーが増えるだろうか?それは「ウェブを壊す」だろうか?それはFirefoxの継続的な成長を鈍化させるだろうか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ