このところ「Midori」プロジェクトに関する動きがないと思っていたら、MidoriチームのJonathan Shapiro氏が入社後1年もしないのに、Microsoftを辞めることが明らかになった。
MidoriはMicrosoftの(ほとんど)極秘OSインキュベーションプロジェクトだ。Shapiro氏はBitC言語と「Coyotos」OSのメイン開発者の1人で、2009年4月、Midoriプロジェクト開発のためにMicrosoftに入社した。
3月9日付のBitCのメーリングリストで、Shapiro氏は以下のように記している。
まだ正式にはMicrosoftを退社していないので、Microsoftを代表してこの議論(BitCの将来)に参加しているのではないことを強調しておく。わたしが知る限り、MicrosoftはBitCにまったく関心を持っていない。Microsoftは寛容で、最後の勤務日(3月19日)の前に、この議論を再開することを許可してくれた。
Midoriと同様、CoyotosはマイクロカーネルベースのOSだ。Midoriは、もしインキュベーション段階から脱した場合、その後は分散オブジェクト指向のOSの形をとり、最終的にはWindowsに取って代わるといわれている。Microsoft側はMidoriの予定や目標について、ことあるごとに言及を控えてきた。しかし、Midoriプロジェクトを進めるにあたりMicrosoftが業界でも有数の優秀な技術者を集めていることは、周知の事実となっている。
電子メールでShapiro氏について、Microsoftを離れる理由について聞いてみたが、現時点では詳細な回答を得ていない。
Midoriを率いるのは、Microsoftの技術戦略担当シニアバイスプレジデントのEric Rudder氏といわれている。だが興味深いことに、Rudder氏は先日、アラブ首長国ドバイの「TechEd」にてMicrosoftの3つの画面と1つのクラウド戦略(Three Screens and a Cloud)に関するデモを行っている。
Shapiro氏が退社したこととRudder氏が公式の場で「Windows Phone 7」を売り込むという2つの出来事は、Midoriプロジェクトの打ち切りを意味するのだろうか?それとも、Midoriの要素がMicrosoftのある製品グループ(または複数のグループ)に移行し、インキュベーションの次の段階に入ったということだろうか?Midoriは、Microsoftのクラウド戦略の将来においてさまざまな潜在的重要性を持つ技術だ。とすれば、Rudder氏がデバイスとクラウドについて話をするのはそれほど奇妙なことではないのかもしれない。それでも、わたしには疑問が残る。
MicrosoftはMidoriについて、情報を公開していないので、同プロジェクトで何が起こっているのかに関して公式な情報は出てこないだろう。何らかの情報(推測も歓迎)を知っている人がいれば、ぜひ教えてほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ