経済に暗雲が垂れ込めるなか、2009年が始まったとはいうものの、これから見ていただくように重要なチャンスというものも存在している。2008年は多くの企業や業界にとって非常に厳しい年であったため、これからどのようにすれば状況を好転させることができるのかだけではなく、これ以上どう悪くなっていくのかさえ見えづらい状況となっている。生き残り、そして繁栄していくために(関連英文記事)、企業はすでに手にしているものを最大限に活かしつつ、2009年に起こるであろう未知なる状況に立ち向かっていかなければならないのだ。こういった懸案事項を考察することで、2009年のエンタープライズWeb 2.0がどうなっていくかという予想をいくらかは組み立てることができるはずだ。
2009年に実際に起こりそうなことをレビューする前に、2008年の予想を簡単におさらいしてみることにしよう(関連英文記事)。
私は2008年の予想の中でSOAがより軽量かつWeb指向になるということを述べており、それはほとんど実現したと言えるだろう。2008年の夏に行われた、Web指向アーキテクチャやSOAの将来といった議題についての数々のオンライン討論(関連英文記事)では、Anne Thomas Manes氏といった業界のリーダーたちによって、SOAに対するアプローチを変える必要があるというある種の大胆な結論が導き出されている。なおManes氏は、数日前のブログ記事(英文)において、SOAが「マッシュアップやビジネスプロセスマネジメント(BPM)、SaaS、クラウドコンピューティング、そして『サービス』に依存するその他のアーキテクチャを用いたアプローチすべて」によってその輝きを失うことになったという理由で、SOAの死を宣告するまでに至っている。しかし実際のところ、SOAは死など迎えておらず、これまでの経験を活かすとともに、業界におけるビジネスや技術の大きな変革に適応することで大きく進歩していることは明白なのである。
エンタープライズ検索はほとんど進歩せず、エンタープライズWeb 2.0にまつわるセキュリティの懸念が大きくなっていくという私の予想も、これらの分野の最前線にいる多くのITリーダーとの1年を通じた討論において、彼らのフラストレーションを目の当たりにしてきたことから当たっていると言ってもよいだろう。また、エンタープライズにおけるソーシャルネットワーキングの興隆やエンタープライズ2.0の浸透(関連英文記事)、ビジネスにおけるモバイルアプリケーションの普及という予想も、多くの調査や研究によってこれらの目覚ましい伸びが示されているため、いい線を突いていると言えるだろう。
残りの予想はあまり的中していない、あるいは的中したかどうかが明確でなかったり判断しづらいものとなっている。これらの中には、ブログやWikiといった構造化されていない情報をもとに、データマイニングを行うためのツールが急速に普及するというものや、MicrosoftのSilverlightがエンタープライズに広く採用されるようになるというもの(とは言うもののAdobeのAIRはそれなりに普及しているようだ)、集合知の活用や意志決定のサポートを行うアプリケーションが急速に普及するというもの、次世代のガバナンスインフラに対する予算が、エンタープライズWeb 2.0システムやそのアプリケーションの活用に向かうITの影響を大きく受けるようになるというものも含まれている。なお、私は2008年における最大のニュースの1つとも言えるクラウドコンピューティングの出現も見逃している。
最後に、2008年の予想のうち、2009年により重要なものとなりそうな予想を2つ挙げておこう。これらは、エンタープライズWeb 2.0ベンダーの再編と、エンタープライズマッシュアップの普及というものでもある。では、以下で詳しく説明していきたい。
私は2009年がほとんどの企業にとっては再構築の年となり、一握りの企業だけが革新的な新しいアイデアによって大きな成功を収めることになるだろうと予想している。ここ数年で大手インターネット企業によってオンライン上に大規模なネットワークが構築されてきた結果、既存の主な分野で急成長するようなビジネスは少なくなるだろうが、まだオンライン化が大々的になされていない業界や情報カテゴリにおいて、大当たりする新商品が登場する余地は十分残っている。これから見ていただくように、こういった業界には、不動産業界や投資銀行業界など、これまでオンライン化が一部しか行われておらず、今こそ完全な変革と再構築が必要となっている業界も含まれている。こういった業界の凋落によって、何かで満たさなければならない巨大な真空領域が生み出されるのだ。
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