多くの組織は人材こそが最大の資産であると主張しているし、重役室ではすべからく「人材獲得競争」が話題になっていると言われている。にも関わらず、典型的な人事部門は単なる手続きを行う場になってしまっており、トップレベルの戦略的意志決定からは抜け落ちてしまっている。
これは本当にばかげたことだ。企業の栄枯盛衰を決めるのは人材だからだ。確かに組織の人的管理スキルというのは、子育てや投資や自動車の運転のようなもので、多くの人は自分のやり方がベストだと思っているが、実際には残念な結果に終わっていることが多い。これこそ、すべてのレベルの採用担当マネージャを訓練し、助言することで、人事部門がすぐに効果を上げ始めることのできる分野の1つだ。しかし、この単純な戦術的提案でさえ、ハードルが高すぎることも多いだろう。
私は以前、成功するチームの作り方についての記事(英文記事)を書いており、その中で採用の際に使える現実的なアイデアについての記事を書くと約束していた。これがその約束の記事だ。本来なら、ここに掲載した項目は、それぞれが独立した記事に値するものだ。このリストは、あるべき論のような漠然とした議論ではなく、私のクライアントが大きな価値を見いだしている、現実に行動に移すことのできる項目の集まりだ。
マーケティング
- 最高の人材を見つけ、採用するためにもっとも重要なのは、正しい人材を探すことではなく、応募者にこの組織こそ自分が入るべきところだと思わせることだ。
- 強力なブランドは売上のためだけでなく、採用のためにも必要となる。GoogleやMicrosoftの求人には行列ができるが、あなたの会社に来たがる人は少ない。もしあなたが重要な地位に就いているのであれば、ブランド開発を優先して行うべきだ。
- もしあなたが事業部、課、あるいは何らかのグループの責任者であれば、それがどんなに小さなものであっても、組織内における自分のグループのブランド開発を行うべきだ。もし他の部署の人から、あなたのグループは採用を行っているのかと聞いてきたり、より能力の低いマネージャからあなたの部署が「最高の人材を独占している」と言われ始めたら、あなたは成功したということだ。
- ブランド開発を効率的に行うためには、部下をグループのブランドの親善大使にすることだ。部下たちに、その部署で働くことのよさを広めさせるといいだろう。
- あなたのグループのブランドを広める方法はいろいろある。見本を見せる、外部とコミュニケーションを取る、会社のニューズレターにいつも掲載されるようにする、クールなことをしてそれを広めて回る、できるだけ多くの意志決定者と緊密な関係を結ぶ、公開されたセッションを持つようにする、専門とする分野でのセミナーを行う、など。この方面に時間を投資しても、必ず見返りが得られる。