これは矛盾に聞こえるかも知れないが、自分は常に正しいと考えることは確実な失敗につながる一方で、失敗を認めそこから学ぶことは必然的に成功につながっていくものだ。
小さい頃から、われわれは時間がすべての傷を癒してくれると教えられてきた。しかし、これが真実の半分でしかないことを教えてくれる人はいない。その傷が他人からのものであれば、いい。しかしその傷をつけたのが自分自身である場合には(これは「過ち」とも呼ばれる)、自分でそれを認めない限り、その傷が治ることはない。
失敗についても、少し違いはあるものの、考え方は同じだ。失敗を認めず、そこから学ばずにいれば、より大きな失敗につながる。その逆もまた真だ。失敗を認め、そこから学べば、最後には成功につながる。
残念ながら、多くのリーダーは失敗を認めるという考えそのものにアレルギーがあるらしい。私は、このアレルギーを持つ多くのビジネスリーダー、政治的リーダー、最高経営責任者(CEO)、企業役員を見てきている。それがなぜなのかは分からないが、「The Problem with Know-It-All Manager」(知ったかぶりマネージャーの問題)という記事で議論したように、成功がリーダーにうぬぼれを与えることと何か関係があるのかも知れない。
何はともあれ、ビジネス上の組織的な失敗、企業の失敗、個人的な失敗は、リーダーやマネージャーが現実を見ていないことが原因であることが多い。それを見倣ってはならない。むしろ、以下に説明する失敗を成功に変える10の方法を習得すべきだ。
1.チェンジマネジメント
多くの人に関わりのある企業のシステムやプロセスを変えようとしたことがあるだろうか?もし試したことがあれば、失敗したことだろう。もしそこから学んでいないのなら、今でも上達はしていないだろう。
2.従業員
あなたは自分が最初から素晴らしい従業員だったと言うつもりだろうか。本当のところはどうだろう。あなたはミスをしてきたはずだし、それを通じて物事がどう動くのか、仕事を片付けるにはどうしたらいいか、いつ意見を言うべきか、どういうときは黙って飲み込むべきかを学んだはずだ。あるいは、あなたの場合はそうではなかったのかも知れないが。
3.方向転換
方向転換は、問題を明確にし、何が悪かったのかをはっきりさせることから始まる。IBM、Apple、HPなどの例に見られるように、何度か繰り返しが必要な場合もある。Nortelのように、役員会が時間をかけすぎる場合もある。次にくるのは、Sprint、ソニー、あるいはDellだろうか。
4.人を管理する
ビジネススクールでどう教えているかなど、私は気にしない。これは、学校で学ぶことではない。仕事の中でミスをしながら、何がうまくいき、何がうまくいかないかを学ぶものだ。以上。
5.科学的手法
科学的手法とは、仮定を立て、実験をし、それが間違っていることを証明するというプロセスを、間違いではないことが証明できるまで繰り返すという考え方からなっている。
6.イノベーション
イノベーションの立ち上げのループは、試行錯誤に基づく学習曲線そのものだ。多くの人はGoogleやFacebookの創立者の物語が大好きだが、起業家は成功する前に何度も失敗していることがほとんどだ。
7.コンサルティング
あまり具体的なことは書かないが、私がコンサルタントとして成功している唯一の理由は、企業にいた20年強の間に、何十ものミスを犯したからだ。このプロセスは、「コツを身につける」と呼ぶべきものだ。
8.戦略的計画立案
あらゆる戦略的な計画立案のプロセスは、何がうまくいっており、何がうまくいっていないかという分析から始める必要がある。SWOTの「W」が弱み(weakness)から来ているのは、それなりの理由があることだ。
9.事後分析
顧客を失った理由や、新製品の発売や広告キャンペーンの失敗について事後分析しなければ、次の機会にも成功する可能性は低い。
10.人間関係
人間関係(個人的なものであれ、仕事上のものであれ、何であれ)で失敗することが、よりよいパートナーやチームプレーヤーを作る、ということについてもし説明が必要だとすれば、あなたは私には手助けできない、大きな問題を抱えているということだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ