ITプロジェクト失敗の6タイプ

文:Michael Krigsman 翻訳校正:石橋啓一郎

2009-11-05 07:30

 プロジェクトはさまざまな理由で失敗する。私は、失敗を6つに分類するブログ記事を読んで、注意を引かれた。このリストは、この問題を考える上で賢い視点を与えてくれるものであり、この記事で読者と共有したい。

 このリストは、プロジェクト支援企業のSealightの社長であるMichiko Diby氏が書いている、「Preventing Project Failure」(プロジェクトの失敗防止)ブログに掲載されたものだ。

  • 目的の失敗--これが起こるのは、そのプロジェクトがその過程に内在する障害を乗り越えるだけの価値や可能性をもたらさない場合だ。これは、そのプロジェクトのそもそもの目的に問題があったことを意味している。
  • スポンサーの失敗--これは、そのプロジェクトを率いる人物が積極的に関与しなかったり、プロジェクトの成功に不可欠な決定を下す権限を持たない場合に起こる。
  • 設計および定義・領域の失敗--これは、領域が明確に定義されておらず、プロジェクトチームが成果物について明確にしていない場合に起こる。
  • コミュニケーションの失敗--コミュニケーションの頻度が十分でなかったり、プロジェクトの問題や課題についての率直な議論が行われない場合に生じる。
  • プロジェクト規律の失敗--この失敗は、手順やプロジェクトの方法論からの逸脱が生じ、もともとその手順に含まれていた失敗軽減のための要素が活かされない場合に起こる。
  • サプライヤ・ベンダの失敗--サプライヤ・ベンダ間関係の構造に、コミュニケーションや修正が許されていない場合に起こる。

 失敗をそのタイプで分類することは、根本的な原因に注意を向ける興味深い方法だ。このリストは、失敗の原因を特定するための新しい方法を提供してくれるわけではないが、問題を議論するための便利な手段を与えてくれる。私が以前掲載した「ITプロジェクトを成功に導くための7つの基盤」では、原因を分析するための別のアプローチについて説明しているので参照して欲しい。

 多くの失敗の根本には、コミュニケーション不足や期待のずれがあるものだ。従って、これらの問題の性質を理解するための試みは歓迎すべきだ。失敗の分類によって、困難な状況について議論するのが簡単になるのであれば、助けになることは間違いない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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