Secuniaが同社のPersonal Software Inspectorが誤検出を起こし、最新のAdobe Readerを安全でないバージョンと検出しているのではないかとの報告を受けて調べたところ、驚くべきことにAdobeが同社の公式サイトから安全ではないAdobe Reader バージョン9.1.0を配布していることがわかった。これによって、ユーザーが最新版のバージョン9.1.2で修正されたセキュリティホールにさらされた可能性がある。
Adobeはこの問題に次のようにコメントしている。
Adobeは、アップデートプログラムがAdobe Readerをバージョンアップ直後、およびその後7日ごとに自動的にアップデートしようとすることから、脆弱性にさらされている期間は短いと述べている。ただし、同社はSecuniaが示したシナリオのように、最新のAdobe Readerがインストールされていない状態で悪意を持って作成されたPDFをクリックしていれば、システムが侵害された可能性があることを認めた。
ユーザーはソフトウェアの最新バージョンを入手する際、常に公式ウェブサイトからダウンロードすることを勧められている。これは、信頼できないサードパーティのウェブサイトからダウンロードすることによるセキュリティ上の問題の可能性を避けるためだ。しかし、今回のケースでは他の可能性もあることを示している。
これは、アンチウィルスソフトの保護に頼ってパッチを怠る平均的なユーザーを別にしても、PDFファイルは依然として標的型攻撃でもっともよく使われるファイルタイプであるにも関わらず、安全でないバージョンのソフトウェアが実際に公式サイトからダウンロードされていた可能性があるということだ。
PSIのパートナーマネージャであるMikkel Winther氏は、この問題に対するコメントを求められ、「PCユーザーはパッチを適用する必要がある。彼らは自分の持っている脆弱性のあるプログラムをすべてパッチしなくてはならず、ベンダーからパッチが提供されてからできる限り早くそれを行う必要がある。これを行わないということは、自らのITセキュリティでロシアンルーレットをやっているようなものであり、自分のシステムが侵害されるかどうかは、単に時間と運の問題に過ぎないということだ」と述べている。
読者は自分が実際に最新のAdobe Reader 9.1.2を使っているかどうかを確認して欲しい。また、サイバー犯罪者は被害者に感染させようとする際、特定の脆弱性だけを使うのではなく、過去のものも含めて利用できるあらゆるものを使っていることを念頭に置いておくべきだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ