みなさんこんにちは! マイ・カウンセラーの田代です。不安や悩みを自己解決するメンタルテクニック。第3回目は、前回の座標平面の中の第3象限――数学の授業みたいですね(笑)――「損するし悪いこと」をなぜ人はやってしまうかについてお話ししたいと思います。
前回、最後に「盗撮」という行為を例に挙げました。駅などで女性のスカートの中を盗撮して捕まったという記事をよく目にします。悪いことだし、最終的には捕まって損をします。それなのになぜこんな行動を起こすのでしょうか。
犯人は「つい出来心で……」と言い訳するかもしれませんが、この出来心は社会的に認められません。もし捕まらなければ「得」と考えることもできますが、あまりにもリスクが大きい行為です。やはり「損得」「善し悪し」だけではこの行為の説明がつきません。
損得、善し悪し以外の要素とは?
ここで、過去にあった私の実体験をお話ししましょう。新卒で勤めた会社で入社3カ月くらいの時、同期入社のある男性が私に向かってこう言いました。
「俺、おまえのことキライなんだよね」
生まれて初めて面と向かって言われた言葉に、私は驚きました。一瞬何を言われたのか、わからなかったくらいです。ぽかんとしていたら、彼は「俺はおまえみたいにちゃらちゃらした男は嫌いだ」と続けました。
そういえば、どうも彼の私に対する態度が冷たいと感じることが、それまでの3カ月で何度かありました。その理由は、「彼が私を嫌いだったから」なんですね。彼は大学の運動部出身でまじめな性格。当時若かった私は合コンなどにもよく出かけていましたから、そんな姿がちゃらちゃらして見えたのでしょう。それだけ言うと、彼はそのまま立ち去って行きました。
気持ちは態度に現れると言いますが、彼は実際に「おまえがキライだ」という気持ちを「冷たくする」という態度で示していたわけです。そう、「好き嫌い」という感情が、彼を動かしていたのです。