みなさんこんにちは! マイ・カウンセラーの田代です。不安や悩みを自己解決するメンタルテクニック。いま少しだけ芽生えつつある不安や悩みの原因を、理性的にトコトン突き詰めて整理する――。このコーナーでは、いろいろな実例を元に、ちょっとした小道具として「欲望の3次元グラフ」を利用しながら、その小さな悩みを解決する方法をご紹介しています。
さて、前回最後に「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」という言葉を紹介しましたが、同じような主旨の言葉は、過去にも誰かしらおっしゃっているようです。いまや著作権不在の言葉ですが、けだし名言だと思います。
喜怒哀楽の「怒」と「哀」を考える
今回は、他人との関係によって生じる感情についてお話ししましょう。
私たちの感情の多くは、主に他人や外的な要因によってもたらされます。そんな喜怒哀楽の感情の中でも、「怒」や「哀」はストレスの原因になることが多く、時にはそれらの感情をコントロールできないが故に犯罪を起こしてしまう人もいます。その点「喜」や「楽」で凶悪な犯罪を犯す人はめったにいません。
私たちの感情を乱す「怒り」や「落胆」、「悲しみ」などが一体どこからやって来るのか考えてみると…… 結局「他人に期待しているからだ」という結論に行き着きます。つまり、他人を変えられない憤りに自分の感情が左右されているということになります。
「あんなことをするなんて!」、「裏切られた!」、「なぜそんなこと言うの?」などと思ってしまうのは、相手があなたの思うように動かなかったから。つまり、「こうしてほしい」、「こう言ってくれるだろう」と思っていた相手が期待通りの言動を行わなかったことに原因があります。
大きな犯罪でなくとも、それこそ日常には、多くの期待と裏切りがうごめいています。街を歩いていても、家にいても、学校でも、会社でも、人間社会は期待と裏切りで成り立っているといっても過言ではないでしょう。よく起こる巨額詐欺や結婚詐欺などは、まさにその典型的なパターンです。
パソコンが壊れて憤慨するのも、壊れるとは思っていなかったパソコンが突然壊れ、裏切られた気分になるからでしょう。また、メーカーに修理を依頼した時のサポート要員の対応が悪ければ、自分の期待に沿った対応をしてもらえなかったと落胆する。株の売買でも、上がると思って買ったのに下がるとくやしい思いをします。私たちはこうしたことを日々繰り返しているのです。そして、多くはそれがストレスに直結し、不安や悩みにつながります。