IT資格のプログラムや試験は巷に溢れており、その実施母体はソフトウェアベンダーやベンダー中立の組織、教育機関などさまざまだ。それらの中には、取得が簡単なものもある--多くのIT専門家がその名前の後ろに3文字の頭文字を列挙しているのを見てもわかるだろう。受験料を支払って選択式の試験を受け、合格すればそれでIT専門家の仲間入りというわけだ。
他方、取得が非常に難しい資格もある。まず取得のコストが高い、すなわち試験を受けるだけでも数年間の経験や学校教育が必要なものや、その資格を取得している人物の推薦が必要となるものがある。また、試験自体が厳しく、関連タスクを実際にやってみせなければならない試験が数日間に渡って実施されるものもある。とは言うものの、大半の試験は極端に易しくもなければ極端に難しくもない。
しかし、ある特定の分野におけるあなたの知識やスキルに対する尺度を実際に提供する資格はどれなのだろうか?また、実際の仕事や昇進に結びつく資格はどれなのだろうか?今回は、現在のIT雇用市場において実際に価値のあるIT資格10種類を取り上げている。
#1:MCSE
MicrosoftのMCSE(Microsoft Certified Systems Engineer:マイクロソフト認定システムエンジニア)資格は数年前にこの試験を受けた人々によってインターネット上に試験問題が蓄積され、公開された結果、該当技術について実際には理解していないにもかかわらず、その解答を暗記することで試験に合格する人々が大勢出てきたことで、悪評に悩まされることになった。
Microsoftはこの一件に対して、知識ベースの選択式問題をやめ、実技に関連するシナリオに基づくさまざまな問題を出題することによって、不正行為がそれほど簡単に行えないようにするという対応策を取った。問題の難易度は増し、資格を取得するのに必要な試験の数も7つにまで増えた。
その結果、MCSEはITコミュニティにおける多くの人々の信頼を取り戻し、Microsoftのサーバ製品に関する専門知識を証明できる有効な資格となっている。
#2:MCA
Microsoftは、MCSE試験の難易度を高くした以外に、新たな資格を数多く設けた(編集注:MCAという略称で「マイクロソフト認定アソシエイト」資格群が存在するが、ユーザー企業でITシステムを活用することを念頭に置いた資格であり、本稿で取り上げているアーキテクト資格とは位置づけが異なるので注意されたい)。MCA(Microsoft Certified Architect:マイクロソフト認定アーキテクト)はMicrosoftの資格としては最上位であり、業界におけるトップの専門家を認定するものだ。MCAを取得するためには、上級のITアーキテクチャ経験を3年間以上積んだうえで、専門家で構成される審査委員会によって行われる厳しい面接試験に合格する必要がある。
MCAプログラムにはいくつかの種類がある。インフラやソリューションに関するMCAの認定は幅広いアーキテクチャスキルを対象としているが、メッセージングやデータベースのスキルに関してはより該当テクノロジに特化したプログラムも存在している。現在、MCA保持者の数は世界中で100人にも満たないため、これはエリート資格となっている。
#3:CCIE
CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、IT資格の中でも最も取得が困難(かつ高価)なものの1つとして広く知られている。これは、MCSEやMCAと同様、ベンダーによって実施されており、Cisco製品に特化したものとなっている。
CCIEを取得するには、筆記試験とラボ試験の双方に合格する必要がある。筆記試験の受験料は300ドルで、複数のトラック(コース)から1つを選択する。トラックとしてはRouting and Switching(ルーティングとスイッチング)、 Security(セキュリティ)、Storage Networking(ストレージネットワーキング)、 Voice(音声)、Service Provider(サービスプロバイダー)がある。
筆記試験に合格して初めてラボ試験を受験することができる。ラボ試験は、Ciscoのネットワーク機器およびソフトウェアの設定やトラブルシューティングを行う能力を8時間かけてテストするというものだ。受験料は1250ドルである。ラボ試験は特定の場所でしか実施されていないため、受験料以外にも、試験会場までの旅費が必要となるのはもちろんだ。
こういったことだけでは不十分と言うのか、資格を取得してもそれで安穏とさせてくれるわけではない。CCIEは2年ごとに再認定を受ける必要があり、受けなければ資格の有効性を一時的に失うことになるのだ。
#4:CCSP
セキュリティに関心の高い現代のビジネス界において雇用者の人気を得ているCiscoのもう1つの試験としてCCSP(Cisco Certified Security Professional)がある。これはCisco製のルータなどの機器が稼働しているネットワークのセキュリティ強化に関連するスキルを対象としている。
5つの筆記試験に合格しなければならず、合格後も3年ごとに最新の試験の1つに合格することで再認定を受ける必要がある。CCSP試験を受験するには、Ciscoの下位レベルの資格すなわちCCNA(Cisco Certified Network Associate)を取得していることが前提条件となる。
筆者Debra Littlejohn Shinderについて
Windows Server SecurityのMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)として、多数の書籍や技術文書などの執筆、編集作業に力を入れながら、テクノロジーコンサルタント、トレーナーとしても活動する。警察官、警察学校のインストラクターとして活躍した経験を持つ。専門はMicrosoft製品とセキュリティ。
関連情報
-
日本オラクル、「ORACLE MASTER」強化:専門性高い資格を新設
日本オラクルは「オラクルユニバーシティ」を強化、技術者認定資格「ORACLE MASTER」を拡充し、専門性の高い認定資格「ORACLE MASTER Expert」を10月末から提供する。 - Rubyアソシエーション、プログラミング言語「Ruby」の資格認定試験を開始 [From CNET Japan]
- MySQL、「MySQL」認定資格試験を日本語で実施 [From CNET Japan]
- マイクロソフト、認定資格「MCP」向けの支援サービスを開始
- マイクロソフト
- シスコシステムズ
- itSMF Japan
- レッドハット
「資格・学習」 の新着情報
-
なぜ英語が苦手になってしまうのか?--エリック松永の英語道場(27)
小さいころから英会話教室に通い、ある程度会話ができるようになった子供が、中学校で文法を習うようになると英語でつまずい... - MS Office世界学生大会2009日本代表が決定
- 外国人から突然電話がかかってきた!--エリック松永の英語道場(26)
- シスコシステムズ、ラックマウントサーバ市場に参入
- 「外国人の演説ってカッコイイ」は本当か?--エリック松永の英語道場(25)
- 資格・学習 一覧へ »
「シンダー先生のシステム管理ゼミナール」 のバックナンバー
-
マイクロソフトのVoIP市場進出への準備は万全?OCSをレビュー
マイクロソフトのVoIP製品「Office Communications Server」に搭載されているソフトウェアベースのVoIP機能は、既存のPBXシステムと統合することも単独で使用することも可能である。今回はOCSの機能を取り上げる。 -
企業の事業継続計画(BCP)に盛り込んでおくべき10項目
-
料金、音質、信頼性…あなたがVoIPに求めるものは何?
-
VoIPは詐欺師にとって好都合なテクノロジなのか?抜け道をふさぐポイントを探る
-
何事も土台が重要:すべての企業におくる物理的ITセキュリティ対策10選
- シンダー先生のシステム管理ゼミナール 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
工事進行基準、まだ間に合いますよ!
工事進行基準でなにが変わるのか自信をもって言えますか? -
ストレージ、イチから勉強しませんか?
ネットワークに仮想化、ストレージの流行も教えます
企画特集
-
SOA、BPM、SaaS −今、企業に必要なこと
ビジネス・アプリケーションの今を網羅する特設サイト -
ロリポップ!がリニューアル
【第1回】創業者の家入一真氏が語る誕生秘話!! -
マネジメントの「コラム」と「コネタ」
今日のキーパーソンは誰? -
セキュリティ&ユーザ事例【SIer Club】
最新のセキュリティ情報と提案事例が満載 -
今注目の「サジェスト検索」−デモ掲載中
システムのユーザビリティに革命を起こす技術とは -
インターネット上の悪意を未然に防ぐには?
ブラウザに備わったセキュリティ機能を徹底解説 -
【徹底対談】運用管理ツールの賢い使い方
市場背景〜仮想化管理までアナリストが解説! -
仮想環境を実現するソリューション特集
仮想化導入時、こんなところ気にしてますか? -
集積度も性能も、業界最高水準のブレードPC
サーバの実装技術を、シン・クライアントへ応用 -
ストレージメディア特設サイト開設
仮想化環境において最適なソリューションを! -
中小企業のセキュリティリスクとは?
導入する側・される側 得するセキュリティ製品 -
ESBでIT投資の無駄を劇的に解消する
IBM IMPACT 2009を徹底レポート! -
そのストレージで仮想化に対応できますか?
メリット盛りだくさんのサンのオープンストレージ製品 -
パンデミック対策特集
2009年のパンデミック発生から再考する事業継続計画 -
◆エン・ジャパン厳選求人☆毎週更新◆
不況下でも急成長の秘訣とは?注目企業の取組みも公開! -
サービス・ドリヴン・データセンター
コスト効果の高いデータセンター構築には? -
サーバー監視・運用のコストを削減するには
エージェントレス方式を用いたパトロールクラリスで -
エンタープライズにおけるSUSEの強み
次世代データセンターの基盤は11だ。 -
■ストレージ容量50%削減保証■
ネットアップによる削減保証キャンペーン実施中
ZDNet Japanからのお知らせ
- ご回答にはCNET_IDご登録が必要です。
-
13. ソースチェック
この4分間のビデオでは、Intel Parallel Studioの一部であるIntel C++コ... -
14. OpenMP 3.0
この3分間のビデオでは、Intel Parallel Composerで利用可能なOpeMP 3.0...
新着企業動向
-
中古車情報サイト「Mjnet.jp」で「VX.NS」のデータ連携を実現
ブロードリーフ -
〜企業内の情報をより活性化させたい方向け〜 検索エンジンの導入効果を最大化する情報活用...
NECソフト -
【isle(アイル)】 共用サーバー初期費+ドメイン費用全額還元キャンペーン(最大27,300円...
GMOホスティング&セキュリティ -
セキュリティ診断
NRIセキュアテクノロジーズ - 企業動向一覧へ»
サーバやOS、アプリケーションなどの世界ではオープンソーススタンダードが市場を牽引する現在、ストレージの世界でもオープン化の流れが始まっている。
幸い今回は弱毒性で大事には至らなかったが、まだ油断はできない。企業活動を停止すると、大きな経済的損害や社会的信用の低下を招いてしまう。 
