日本オラクルは、教育分野の事業「オラクルユニバーシティ」を強化、同社の技術者認定資格「ORACLE MASTER」を拡充し、専門性の高い認定資格「ORACLE MASTER Expert」を10月末から提供する。さらに、10月に国内で提供を開始する予定の「Oracle Database 11g」の認定資格、「ORACLE MASTER Oracle Database 11g」を2008年2月から設ける予定だ。多数の企業を買収したことにより製品の系列が多様化していることと、BI、SOAなど需要が拡大している技術潮流に対応し、同社の技術に精通した人材を増加させることを図るとともに、この領域の売り上げを対前年同期比8.8%増の23億3,000万円に伸長させることを目指す。
新しい認定資格「ORACLE MASTER Expert」は、従来の「ORACLE MASTER」を補完するものとして位置づけられ、特定の製品や機能、技術についての専門技術力を証明する資格を提供する。これまでの「ORACLE MASTER」では扱えていなかった、BI(Business Intelligence)、SOA(Service Oriented Architecture)、セキュリティ、グリッドなどに通暁した技術者を育成する。
まず10月末頃に、RAC(Real Application Clusters)を習得する「Oracle Database 10g Real Application Clusters Administrator Certified Expert」を設ける。対応研修コースは「Oracle Database 10g Real Application Clusters 構築と運用」。11月末頃には、Linux分野の「Oracle Database 10g Managing Oracle On Linux Certified Expert」を開設する。対応研修コースは「Linux版Oracle10g データベース構築と運用」だ。予価はいずれも15,750円。これらのほか、BI、SOA、セキュリティについてのプログラムも今後、順次追加していく意向で、同社2008会計年度の新規取得者を同17%増の1万7,000人と見込んでいる。
また、同社は企業買収/合併により整えたビジネス・アプリケーション分野の認定資格も強化する。従来の「Oracle E-Business Suite」に加え、「Siebel」、「JD Edwards」、「PeopleSoft」といった製品分野での認定資格を、10月末から順次提供していく方針だ。当初は「Siebel 7.7 認定コンサルタント」を新設、対応研修コースは「Siebelコンサルタント」で予価は26,250円。これにつづき、「Siebel 8 認定コンサルタント」、「JD Edwards 8.1 認定 会計コンサルタント」や、「PeopleTools 認定デベロッパー」を2008年2月に順次提供する。同じく、この分野の新規取得者を同48%増の850人と予想している。
さらに、国内では10月23日から提供が開始される「Oracle Database 11g」の認定資格、「ORACLE MASTER Oracle Database 11g」を2008年2月に設ける。すでに「ORACLE MASTER」を取得済みの技術者に対しては、旧バージョン資格からのアップグレードが可能になっている。
同社では、旗艦であるデータベースだけでなく、CRM、ERP、ミドルウェア、産業別アプリケーションなどの分野でも2010年にはナンバーワンになることを目標とする「Vision 2010」を策定しており、同社の技術に通じた専門家を増やすことは、この戦略を支える重要な要素のひとつとなる。同社の保々雅世 執行役員 オラクルユニバーシティ本部長は「データベースからミドルウェアまで、すべての領域に渡る製品をもっていることがオラクルの強み」と指摘、このような「フルスタックのソリューションの価値を最大化できるスキルを習得した技術者を育成していきたい」と話している。