日本オラクルは8月31日、同社の研修サービス部門である「オラクルユニバーシティ」における2007年度のビジネス戦略について明らかにした。日本オラクルでは、研修の質をさらに向上することで、Oracle Database 10g資格の新規取得者8000人、ORACLE MASTER 10g Platinum資格の新規取得者100人を獲得し、年間売り上げ20億円(対前年比1.2%増)を目指している。
ORACLE MASTERは、日本オラクルがオラクル製品に関する技術者を認定する教育プログラム。2006年6月1日現在、資格保有者数は15万3000に上るという。同社では、今年度の取り組みとして、Oracle 10g研修コースをこれまでの1.5倍にあたる60種類に拡大するほか、職種/技術レベルに応じた研修コースを提供するなど、3カ月で従来比1.2倍となる240コースを開催する予定という。
また、これまでの製品ごとの研修に加え、ライセンス部門との連携を強化。グリッドやSOA(サービス指向アーキテクチャ)、セキュリティ、ビジネス・インテリジェンス(BI)、コンテンツ管理の5つの分野に対応した研修コースを開始する。さらに、Oracleが買収したPeoplesoftやSeibelの製品を日本市場に展開する日本オラクルインフォメーションシステムズとの連携も強化し、両社の顧客のニーズに合った研修コースも提供する計画だ。
日本オラクルの執行役員オラクルユニバーシティ本部長、保々雅世氏は、「景気の回復に伴い、IT要員数と給与が増加傾向にあるが、複数のスキルセットを持つコンサルタントエンジニアは相変わらず不足している。そこで、顧客のニーズに合った研修プログラムを提供することが重要。中でもORACLE MASTERは、営業上の効果が高い資格として各方面から高く評価されている」と話す。
ORACLE MASTERは、Oracle製品の実務エキスパートを実技試験によって認定する「ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g」、Oracle Database 10gを効率的に運用するための知識を有する技術者を認定する「ORACLE MASTER Gold Oracle Database 10g」、データベース管理者として必要な知識を持つ技術者を認定する「ORACLE MASTER Silver Oracle Database 10g」、データベース管理者の指導によりOracle Database 10gを管理できる技術者を認定する「ORACLE MASTER Bronze Oracle Database 10g」、Oracle Application Server 10gの基本的な知識と技術を認定する「ORACLE MASTER Silver Oracle Application Server 10g」の5つの認定で構成されている。
2006年7月より提供が開始されたORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10gは、ORACLE MASTERの最上位資格となるもの。資格の取得には、大規模なデータベース構築やシステム統合を実現できる実践的な能力が必要となる。Oracle 9iからスタートしたPlatinum認定は、すでに日本で190名が取得しているという。
Platinum認定を取得することで「Platinum Club」の会員となり、最新研修コースのプレビューや特別研修コース、各種イベントなどへの招待、専用サイトや専用メールの使用など、さまざまな得点を利用することが可能。1年を通じてその活動が認められたオピニオンリーダーには、「Platinum of the Year」アワードが贈られ、受賞者はサンフランシスコで開催されるユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld」に招待される。
オラクルユニバーシティ ビジネス推進部 シニアディレクターの杉山真理子氏は、「ORACLE MASTER 10g GoldやORACLE MASTER 10g Platinumの取得推進メニューを強化するほか、ORACLE MASTER 9i PlatinumからORACLE MASTER 10g Platinumへの移行試験も準備している。ORACLE MASTER 10g Platinum取得者を拡大するためのサービスを拡充していきたい」と話している。