アルプスシステムインテグレーション(ALSI、大喜多晃社長)は7月3日、ALSIの教育事業部門と、旺文社(赤尾文夫社長)との共同出資会社でデジタル教 材制作の旺文社デジタルインスティテュート(旺文社DI、川居睦社長)を統合 し、新会社を設立すると発表した。
教育機関向けのIT市場は、ネットワーク構築やパソコンの配置などITインフ ラ整備が一巡。今後は、「システム構築から保守・運用、教材の提供まで総合 的に提供できる体制が必要」(川居睦・ALSI取締役)と判断したもの。ALSIの システム構築および保守・運用能力と旺文社DIの教材制作スキルを合わせて、 教育機関向け総合ITサービス会社を目指す。現在の両者の事業を合わせた売り 上げは約12億円だが、来年度(08年3月期)には13億円、09年度には25億円へ 拡大させる。
新会社の社名は、「チエル」。設立は10月1日。資本金は3億円で、出資比率 はALSIが65%、旺文社が35%。設立時の従業員数は55人。代表取締役社長にはALSI取締役で、旺文社DIの社長を兼務する川居睦氏が就く。事業内容は、デジ タル教材の提供や小・中・高校および大学向けの教育システムの構築事業、シ ステムの運用保守や操作方法などを教えるサービスや技術者派遣サービス。当 面は、両社の事業を統合するのみで、新事業・新サービスはないが、「設立時 には新展開を発表する」(川居氏)としている。
ALSIは90年の設立以来、教育機関向けシステム構築事業を一貫して展開して おり、CALL(語学学習)システムではトップシェアを誇る。一方、旺文社DIは 英語教材などデジタルコンテンツの制作を得意としており、昨秋からは学習コ ンテンツのASPサービスを開始。1万5000人以上の会員を獲得している。