「iPhone」はさまざまなことが行える素晴らしいデバイスである。これは電話としても、ゲーム機としても、PDAとしても使える。そして天気予報や株価をチェックしたり、オンラインニュース記事を読んだり、インスタントメッセージの送受信を行ったり、連絡先やカレンダーの同期を行うこともできる。また、To-Doリストを保存したり、パスワードデータベースを管理することもできる。
iPhoneの小さな筐体の中には、大量のデータを格納することができるようになっている。このため、データの紛失や盗難といったことも容易に起こり得るのである。
iPhoneには、本体が意図しない人の手に渡ってしまった場合に備えて、データへのアクセスを防止する方法がいくつか用意されている。例えば、「設定」−「一般」で表示される画面で、4桁の数字からなるパスコードを登録しておけば、一定時間操作を行わないでいると自動的にロックがかかり、パスコードを入力しなければ次の操作が行えないように設定できるようになっている。また、セキュリティをより強固なものにしたければ、パスコードの入力に10回連続して失敗するとiPhone上のすべてのデータが消去されるようにも設定することができる。
ただ、4桁の数字からなるパスコードというのはそれほど強固なセキュリティ対策とは言えないだろう。もっとも、多数の組み合わせが考えられるうえ、パスコードの入力に10回失敗するとiPhone上のすべてのデータが消去されるというように設定しておけば、数字4桁でも十分なのかもしれない。しかし、より強固なパスコードが使えるとすればどうだろうか?こういった設定は、iPhone本体のみでは不可能であるものの、「iPhone構成ユーティリティ」を用いることで可能になるのである。
iPhone構成ユーティリティはWindows用とMac用の双方が提供されている。Mac用はこのページからダウンロードできる。DMG形式のファイルをダウンロードしたら、そのディスクイメージからインストーラを起動することで、このユーティリティをインストールできる。なお、iPhone構成ユーティリティは/Applications/Utilities/にインストールされる。
インストールが完了したら、iPhone構成ユーティリティを起動する。そして、左側にある「ライブラリ」(LIBRARY)ペインから「構成プロファイル」(Configuration Profiles)を選択する。次に、ツールバーの「新規」(New)ボタンをクリックする。これで、新たな構成プロファイルを作成する準備が整ったことになる。
「固有名」セクションのフィールドに必要事項を入力する。これによって該当プロファイルにおける基本的な情報が設定されたことになる。入力が完了したら、「パスコード」セクションを選択し、「構成」ボタンをクリックする。ここからiPhoneにおけるパスコードの基準を定義できるわけである。