Linuxコミュニティー、紛争解決の規約を採択

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-03-11 10:44

 「熱に耐えられないなら厨房から出て行け」――これがLinuxカーネル開発コミュニティーの非公式なモットーだったのかもしれない。つまりこの場所に耐えられないなら参加するなということだ。

 ここ数年、Linux開発コミュニティーのメーリングリストであるLinux Kernel Mailing List(LKML)の中では、数えきれないぐらいの衝突が起こっている。LKMLをもっと平和な場所にするため、カーネル開発グループは「紛争解決規約」を採択した。

 Linuxが最も成功しているOSでありオープンシステムプロジェクトであることは疑いの余地がない。だが、カーネル開発動向を注意深くみると、コミュニティーの間で多くの衝突が起こっているのも事実だ。特にLinuxの父であるLinus Torvalds氏は人に対する許容度がなく、その人が間違っていると思ったら公の場でほかの人にその見解を伝えることをためらわない。

 そのようなTorvalds氏の態度は新しいものでもなんでもなく以前からだ。だが、最近ではRed Hatの開発者でsystemdの作者でもあるLennart Poettering氏が公にTorvalds氏の態度を批判し、Torvalds氏がヘイトスピーチを奨励していると主張した。Poettering氏の評判は著しく下がったが、これによりLinuxカーネル開発コミュニティーの間で起こる衝突をどのように解決すべきかの議論が高まった。

 新しい規約はLinuxパッチとして、Linux開発者のGreg Kroah-Hartman氏が作成した。「Linuxカーネル開発プロセスは、『伝統的な』ソフトウェア開発の方法と比較すると非常に個人的なものである」として、コードやアイデアは注意深くレビューされるが、批判や非難の的になることもあると続いている。同時に、このプロセスのために「個人的に罵られたり、脅威にさらされたり、不快な思いをするのは容認されない」としており、そのような場合はLinux Foundationのテクニカルアドバイザリボード(TAB)、または個人メンバーに連絡するようにとしている。それにより衝突の解決を図るという。「礼儀正しくあること、そして技術的な事項に関わることにフォーカスすること」も呼びかけている。

 このパッチには60人の開発者が承認しており、Torvalds氏によりカーネルに入ることになった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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