誰しも個人的に気に入っているプログラムを持っているが、ソフトウェアについて他の人より熱心なユーザーもいる。そうしたグループの1つが、Linuxユーザーのコミュニティーサイト「LinuxQuestions」に集う人たちだ。Linuxのエキスパートで、初心者ユーザーが次々と投げかける質問に親切に答えている。したがって、この人たちがお気に入りのLinuxディストリビューションやオープンソースプログラムを選んだというのなら、筆者はその意見を真剣に受け止めたい。
念のために言っておくが、筆者は常に彼らと同じ意見だという意味ではない。前置きはさておき、LinuxQuestionsの最新の年次調査から特に重要な結果を紹介しよう。
Linuxデスクトップ
LinuxQuestionsと、オープンソースソフトウェアコンサルティング企業LQ Consultingの設立者であるJeremy Garcia氏は、2014年のベストLinuxデスクトップに同率で3つが選ばれたと発表した。選ばれたのは、「Linux Mint」と「Ubuntu」、そして「Slackware」だ。前者2つのLinuxディストリビューションは、あまり詳しくないLinuxファンでも知っているが、SlackwareはLinuxのプロフェッショナルでなければ知らない可能性が高い。Patrick Volkerding氏が開発したSlackwareは、最も古いLinuxディストリビューションの1つで、最初に作成されたのは1993年だ。
ベストLinuxデスクトップは何かという点では、トップクラスのLinuxユーザーの意見は分かれた。
筆者はこの選択には同意できる。個人的には、Linux Mintは気に入っているデスクトップOSだし、Ubuntuも好きだ。熱心なSlackwareファンだったことはないのだが、そのUNIX系の外観を見ると、多くの熱心な昔ながらのLinux/UNIXユーザーが、今でも真っ先にそれを選ぶ理由は分かる。
Linuxデスクトップ環境
この項目では、「KDE」が34%の票を獲得して1位に選出された。予想通りだ。KDEは昔から、2大Linuxデスクトップ環境の1つとされている。驚いたのは、KDEの長年のライバルである「GNOME」が、筆者が最高のデスクトップ環境として唯一選んだ「Cinnamon」と実質的に互角の地位まで下がっていることだ。この2つを上回って、全体で2位だったのが「Xfce」だ。これは古くからあるが、見過ごされがちな軽量のデスクトップである。
GNOMEは2011年以来順位を下げてきているが、その人気がこの数年でそれほど落ちているとは知らなかった。
ウェブブラウザ
「Firefox」が圧倒的に最も人気のあるLinuxデスクトップウェブブラウザであり、58%の支持を受けているということに、筆者は驚いている。確かにFirefoxは依然として大半のLinuxディストリビューションでデフォルトのウェブブラウザであるが、筆者がどんなOS上でも好んで使っている「Chrome」は、少なくともFirefoxと僅差になるだろうと思っていた。それは間違いだった。Chromeは2位ではあるが、Firefoxに大きな差をつけられている。
オフィススイート
もう1つ興味深かったのが、「LibreOffice」が選ばれている点だ。このプログラムもまた、ライバルに大勝しており、票の86%を獲得している。LibreOfficeが「OpenOffice」からフォークされて以来、筆者は、LibreOfficeはOpenOfficeよりもはるかに人気になるだろうと考えていた。ただ、その母体となったプログラムの人気をこれほどすぐに、ここまで大きく上回るとは予想していなかった。