VMwareがクライアント向けの仮想化ソフト新版を出荷

日川佳三(編集部) 2005年04月14日 18時19分

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 サーバ統合のための仮想化ソフトを開発するヴイエムウェアは今後数週間以内に、サーバではなくクライアントPCを仮想化する仮想マシン運用ソフトの新版「VMware Workstation 5日本語版」を販売代理店経由で出荷する。評価版はすでに同社のウェブサイトからダウンロードできる。

 VMware Workstationは1台のクライアントPC上に、複数の仮想PCを作ることを想定したソフトであり、サーバ統合用の同GSX ServerやESX Serverとは用途が異なる。主な用途は、古くなったPCを現行機種にリプレースする際に、Windows 95/98でなければ動作しない業務アプリケーションをWindows XP上で動作させる使い方だ。古いOSと業務アプリケーションから成るクライアント環境を、新PCを再起動しないでいつでも再現して利用できる。

 このほか、ヘルプデスク担当者が、OSや業務アプリケーションなど構成の異なる複数のクライアントPCの環境を必要な時に再現し、ユーザのサポートに役立てるという使い方も考えられる。アプリケーション開発者であれば、1台のPCによって複数のコンピュータで構成する情報システムを再現し、動作を検証する用途に利用できる。

 VMwareの仕組みと特徴はこうである。まず、ミドルウェアであるVMwareを動作させるOSをホストOSと呼び、VMware上に作成するそれぞれの仮想コンピュータ上で動作させるOSをゲストOSと呼ぶ。VMwareでは、仮想マシンに加え、仮想マシン上で動作するゲストOSとゲストOS上に導入したアプリケーション、ゲストOSから使うデータ・ストレージのすべてを、ホストOSから見て1個のファイルとして扱える。VMwareを導入した異なるコンピュータ間で仮想マシンを収めたファイルを交換すれば、どのコンピュータ上でも同一のコンピュータ環境を再現できる。

 VMware Workstation新版での主な機能強化点は以下の通り。まず、ネットワーク機能を強化した。ネットワーク機器やサーバ機からなる現実の情報システム全体を1台のコンピュータで動作できるようにした。具体的には、VMware内部に複数のネットワーク・セグメント(LAN)と、ネットワーク・セグメント同士をつなぐルータを作成し、セグメントごとのネットワーク帯域やパケットの消失率などを定義して運用できるようにした。これにより、データベース・サーバ、アプリケーション・サーバ、ウェブ・サーバ、ブラウザという4階層のマシン群の動作検証などが可能になった。

 従来は、ホストOSがVMwareに対するブリッジまたはルータとして動作し、VMware上のゲストOSはすべて同一のネットワーク・セグメントに所属するしかなかった。従来から備えるネットワーク機能はそのまま継承している。ルータとして機能させた場合は、ホストOSがゲストOSに対してIPマスカレード機能に加えてDHCPサーバ機能を提供する。いずれの場合でも、社内IPアドレスをホストOSに割り振る運用も社内IPアドレスをゲストOSに割り振る運用もとれる。

 Workstation新版ではまた、複数の仮想マシン間でメモリを共有する機能を新たに実装した。同時に起動した複数のゲストOSが同じプログラム・コードを読み込んで利用している場合は、複数のOSが同一のメモリ空間を閲覧するようにした。これにより、搭載メモリにかかるコストを削減できる。従来のWorkstation版では、ゲストOSごとにメモリ空間を固定的に割り当てる運用しかとれなかった。この機能はこれまで、サーバ統合用のESX Serverだけが備えていた機能である。

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