マイクロソフトのPortable Media Centerは携帯メディア端末の最有力候補

David Berlind(ZDNet.com) 2005年05月11日 23時12分

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 私は今年に入って、Microsoftの製品が市場を独占する「モノカルチャー」の状態がポッドキャスティングの分野に及び、Appleを駆逐するようになるかもしれないというコラムを書いた。オンラインのホワイトボードセッションでは、この現象についてもっと詳しく説明し、メディアプレイヤー分野におけるモノカルチャーがデジタル著作権管理(DRM)技術に波及する可能性があるという話をしたが、これは--少なくともいまのところは--この2つの事柄が密接に関連しているからだ。Microsoft、Apple、Real Network、Adobe(Macromediaを買収したため)や他のどこかの企業が、メディアプレイヤーやDRMの分野で市場を制覇するようになったら、エンターテインメント/メディア業界にとっては、これまでになく有利な状況が生まれることになろう。

 現在提供されているサービスを見ると、Microsoftはいろいろな面で賢い選択をしており、先行する同社には誰も追いつけないように私には思える(Appleを甘く見てならないと、いつも読者の皆さんには言われるが)。これまでのところ、携帯DVDプレイヤー以外で、Microsoftのようにデジタルビデオを活用する技術を市場とインターネットに浸透させた企業は他にない。

 Microsoftはまた、Plays4Sureプログラムを通して、端末メーカー同士が競争する状態を作り出すために、DOS/Windows/Pocket PCオペレーティングシステムのライセンスで採用してきたやり方を踏襲した、今回もこのやり方が機能しており、CreativeやiRiver、Samsungがビデオ再生可能な携帯端末を出しているほか、Pocket PCが動作するPDAや携帯電話にもWindows Media Playerを搭載したものが登場している。

 Appleはといえば、まだQuicktimeムービーを再生できるiPodを出しておらず、このゲームに参加してさえいない状態だ(ただし、2005年のクリスマスに同社がQuicktime対応のiPodを発表するという噂は耳にしている)。Windows Media以外のオーディオ/ビデオを再生できる製品は、ハードウェア/ソフトウェアともに、他にもいくつか出ている(たとえば、Archos、Real、Adobe/Macromediaなど)。だが、これらの取り組みは、MicrosoftによるPortable Media Centerの取り組みほどきちんと進められていないため、成功しているとはいえない。

 コンテンツの開発や配信については、Microsoftは通信インフラの分野にも浸透しており、その結果(1)Windows Mediaベースのコンテンツを再生できる電話端末の販売(2)Windows Mediaのストリーミングを利用したデジタルコンテンツの配信(3)、あるいは(1)と(2)の両方を行う通信事業者が登場している。

 今年、アリゾナ州スコッツデールで開催されたPC Forumでのインタビューで、Sunの社長兼COOであるJonathan Schwartzは、Microsoftによるモノカルチャーの脅威は現実的なものであり、それを防ぐために、Sunではネットワークの認証仕様を策定する業界団体「Liberty Alliance」のような団体を組織することを考えていると述べた。Microsoftのメディアプレイヤー技術が携帯デバイスの分野を独占するようになったら、Sunにとっては大きな打撃になる。携帯メディアの分野でJavaが亜流のOSになりさがる可能性があるだけでなく、Microsoftの携帯マルチメディア技術が広く普及すれば、MicrosoftのモバイルOSと(モバイル版Javaのライバルである)モバイル版.NETの需要が増えることになるからだ。

 SunやAppleなどの企業が負けると予想するのはまだ時期尚早かもしれない。私は以前ZDNetに掲載された3つのPMC製品の比較レビューを読んで、このブログを書くことを思い立った。これらの製品にはまだ粗いところも残っているものの、手始めとしてはまあまあの出来で、しかも実際に市場に出回っている。シニアエディタのJames Kimは次のような意見を述べている:

「Windows Mediaの世界では、ここで取り上げた携帯メディア端末は、革命的なWindows Mobileベースのユーザーインターフェースのおかげで、WMVムービー、WMA音楽、デジタル写真のすべてをごく簡単に再生できる。Portable Media Centerは、オーディオ録音/ビデオ録画、FMチューナー、多数のポピュラーなメディアフォーマットをネイティブでサポートする点など、これまでの携帯ビデオプレイヤーが備えていた機能を欠いているが、それでもWindows Media Player (WMP) 10.0との自動同期機能があるおかげで、世界でも最も使いものになっている」

 Microsoftは史上初めて、Appleを追いかけるのではなく、Appleの先を行っているように見える。

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