日本HPがディスクを利用した仮想テープ装置を出荷

日川佳三(編集部) 2005年05月19日 19時31分

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 日本ヒューレット・パッカードは6月中旬、ディスクを仮想的なテープ装置に見せるバックアップ装置「HP StorageWorks Virtual Library System」(VLS)を出荷する。価格は、最大容量5Tバイトのモデル「VLS 6105」が350万円から、10Tバイトのモデル「VLS 6510」が680万円から。

 VLSは、ディスクを用いた仮想テープ装置である。データの格納にディスクを使いつつ、バックアップ・ソフトからはテープ・ライブラリ(複数のテープ・ドライブと複数のテープ・カートリッジを持つテープ装置)として扱える。インタフェースはFC(FibreChanel)である。

米Hewlett-Packard ストレージ・ワークス・ディヴィジョン ニアラインストレージ・マーケティング・マネージャのカルロス・マルチネス氏

 VLSが対象とするユーザーは、中小規模のシステムを運用する部署である。主に既存のテープ・ライブラリを置き換えて、データ・バックアップとリストアの速度を上げる需要に適する。データ転送速度はVLS 6510で最大450Mバイト/秒であり、テープ装置よりも高速である。

 一方、ミッション・クリティカルな業務システムでは、大規模な共有ストレージ内部でスナップショット・バックアップを世代別に作成し、古いコピーをテープ・ライブラリにアーカイブ・バックアップするという手法が採られる。VLSを含め、ディスクをバックアップ媒体として使う手法は、こうしたミッション・クリティカルな分野ではあまり使われない。

 ディスクをバックアップ媒体として使う手法は、VLSの登場以前でも一般的だった。主にIPネットワークを経由して、実運用環境のディスク・ストレージから、バックアップ用のディスク・ストレージへデータをコピーするというものだ。こうした状況に対して、米Hewlett-PackardでVLSやテープ・ライブラリのマーケティング・マネージャを務めるカルロス・マルチネス氏は、「VLSはディスクからディスクへのバックアップよりも優れている」と力説する。

 ディスク装置やネットワーク・ファイルシステムと比べたVLSのメリットは、データを保有しバックアップ対象となるサーバが増えれば増えるだけ、運用管理コストを削減できる点である。初期導入コストはディスク・ストレージよりも高くなるが、共有ディスクのボリューム設定などが必要になるディスク・ストレージよりも、テープ・ライブラリに見えるVLSの方が運用負荷が下がる。

 VLSに加えて同社は、ディスク・ストレージの新機種3モデルと、テープ・ライブラリの新機種1モデルの出荷も開始する。ストレージは「HP StorageWorks Enterprise Virtual Array」3モデルで、価格は最大容量16.8Tバイトのモデル「EVA 4000」が346万円から、33.6Tバイトのモデル「EVA 6000」が646万円から、72Tバイトのモデル「EVA 8000」が1250万円から。テープ・ライブラリの「HP StorageWorks EML eシリーズテープライブラリ」は、筐体が520万円から。

 ストレージのEVAは、論理ボリュームの管理だけでディスク・アレイの物理構成を管理する必要がない。複数のディスク群をプールして仮想化し、論理ボリュームに自動マッピングできる。仮想化によって物理的なRAID構成を計画して組み立てることなく、求めるデータの冗長度によって仮想RAID構成をVraid 1、Vraid 5、Vraid 0の3タイプから設定可能である。RAID 1(ミラーリング)同等の冗長度から、RAID 0(ストライピング)のような冗長度のない使い方まで使い分けられる。

 テープライブラリの需要も「横ばいながら今後も続く」(カルロス・マルチネス氏)。ディスクは、ウイルスに侵食される恐れやハードウェアの障害などのリスクがあるが、テープはデータを保護する能力がディスクと比べて高いというのが理由の1つ。カルロス氏は、テープ媒体の可搬性も、ミッション・クリティカルな業務では需要が続くと見ている。

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