第4回 万能なツールは存在しない〜目的にあったツール選定〜

堀内秀明(ガートナー ジャパン) 2005年12月07日 23時00分

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 一口にBIツールといっても、「BI」という機能が提供されるわけではなく、定量的な情報の分析に必要となるさまざまな機能が組み合わせられたうえで、ツールとして提供されることがほとんどである。しかし、単一のBIツールですべてをまかなうことは現実的ではなく、ほとんどの企業では、企業が定めるBIのフレームワークに従って複数のツールを導入する必要があるだろう。今回は、BIツールの選定における考慮点について解説する。

分析ニーズ、更新と利用の頻度に基づいてツールを選択

 BIツールの選定では、分析から導き出す結果の種別と分析の実行方法の組み合わせ、つまり、何をどのように分析するのかによって、ある程度必要となる機能の絞込みを行うことができる。

 BIによる分析結果としては、過去の事実、過去の事実の原因、将来起こるであろう事実の予測、言い換えれば「何が起きたか」「なぜ起きたのか」「これから何が起きるのか」の3タイプがある。

 一方、分析の実行方法としては、バッチ処理を中心とした定期的な分析の実行、ユーザーとの対話型による分析の実行、業務プロセスと連動したイベント・ドリブンの3タイプがある。

 例えば、過去の事実について、定期的に結果を入手するというニーズには、レポーティング(あるいは帳票)によって対応可能であり、過去の事実の原因について対話的に分析を行うというニーズには、OLAP(オンライン多次元分析)が適している。

 BIに対する最も一般的なニーズは、過去の事実とその原因を、定期的あるいは対話形式で入手することだと考えられる。このような最も一般的なニーズを広くカバーしているのが、レポーティング、アドホック・クエリ、OLAPといった機能をセットで提供するEBIS(Enterprise BI Suite)製品である。

 BIプラットフォーム製品でも、レポーティングやアドホック・クエリ、OLAPなど同様の機能を提供している。しかしBIプラットフォーム製品はEBIS製品と違い、アプリケーション開発を伴い、製品によってはデータマイニングや統計解析機能を提供しているものもあり、単純な分析や勘では発見できない未知のルールの発見や高度な予測といったニーズにも対応している。

適材適所でのBIツール導入
(出典)ガートナー

 最近では、BIにもリアルタイム性が求められてきており、業務プロセスを常に監視し、事前に定めたルールに合致する事象が発生した場合、即時に適切な担当者に連絡するという仕組みが注目を集めている。ガートナーでは、このような仕組みをBAM(Business Activity Monitoring)と呼んでおり、BIツールにはアラート機能などが実装され始めている。

 また、企業活動を定量的に把握し、いくつかの指標に落とし込み、“経営ダッシュボード”と呼ばれる環境を構築することに対する関心が高まっている。経営層が企業の実態をいち早く把握することは、戦略的に価値の高いものであると言える。

 ガートナーでは、このような取り組みを企業業績管理(CPM)と呼んでおり方法論、プロセス、評価基準、アプリケーションといった4つの側面から成り立つものと考えている。アプリケーションという側面では、スピードメーターや信号機などを利用して、さまざまな指標をグラフィカルに表示可能な機能を搭載しているBIツールも数多く登場している。

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