低コストでオフコン情報を集約し、予算編成の期間を半減(後編)

小林正宗(月刊ソリューションIT編集部) 2005年12月27日 10時00分

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エミュレータの効果を踏まえ
新たに売上予算編成システムを構築

 eLECTRANの導入による、エンドユーザーの反発も少なかった。ウェブ画面で直感的に操作できることに加え、当初予想していたより画面のレスポンスも良かったからだ(画面12参照)。eLECTRANの効果を実感したシステム統括部は、2004年から同ツールを使った売上予算編成システムの開発に乗り出した。

画面1 eLECTRANアカウント画面

画面2 eLECTRAN在庫照会画面

 従来、リリカラの売上予算編成は、紙をベースとしていた。本社のオフコンからプリントアウトした予算編成案を、システム統括部が各営業所に送付。営業所の担当者が、MS-Excelなどに数字を入力し、討議を重ねながら予算案を策定する。それを各支店で集約して同様の検討を経た後、本社に送っていた。

 この方式だと、どうしても時間がかかってしまう。「ムダな入力が随所で発生していました。営業所の担当者は、Excelで作成したものをプリントアウトして支店に送付し、それを再度Excelに打ち込みます。それを印刷したものを、システム統括部でオフコンにデータ入力していました。いわば三重入力していたわけです」(台井課長)と打ち明ける。リリカラのシステム統括部は4人。実質的に2人の担当者が入力していたため、予算編成時期になると、部員の負担は相当なものとなっていた。

 これを解消するため、2001年ごろから、Excelをベースとした予算編成に変更した。だが、これが新たな問題を生んだ。

 各営業所からの売上予算を集計すると、データ量が大きくなりすぎるため、通常のPCでこれらを集計しようとすると、画面がフリーズしてしまうのだ。また、各営業所ごとにフォーマットも異なっていたため、それらの変換にも時間がかかっていた。そこで、2003年からは、フォーマットを統一。部や課ごとに分けて集計することにした。

 ここにも問題があった。集計した売上予算金額の合計が合わないケースが多くなった。理由はこうだ。従来は、営業所からの予算編成額は支店がチェックし、支店の数字はシステム統括部が入力の際にチェックしていた。Excelを導入した結果、それらのチェックがなされないまま全体予算案が組まれてしまうため、数字が合わなくなった。その原因を探すのに時間がかかってしまったのだ。

 確かに、オフコンを使って売上予算編成をすることもできる。だが、編成時期は限られているため、各々の営業所が一斉にアクセスすると、画面表示のレスポンスが極端に落ちてしまう。また、オフコンは確かに計算は速いが、経年変化を表示したり、営業所単位での売上推移などを比較して表示できない。事実上、オフコンを直接操作して予算編成するのは不可能だった。

 システム統括部として、売上予算の編成にかかる時間を最小限に抑えることは、至上命題だった。それは、会計制度の改定によって四半期決算への対応が急務だったからだ。「会社全体でみると、予算編成に時間がかかるということは、それだけ業務に支障をきたしていることです。さらに、四半期決算に対応できないとなれば、経営の損失につながります。可及的速やかに対応しなければならなかったのです」(草野部長)と話す。

 そこで、運用実績のあるeLECTRANを使ったシステム構築に踏み切ったわけだ。

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