悪いのは誰か?
かなりの数のメンバーが、真の問題は、無能としか思えない同僚ではなく、不満を抱いているサポート技術者の方にあるのではないかという意見を寄せてくれた。メンバーであるcander氏が雄弁に語ってくれた、「無能な」同僚の短所に対する異なった見方を以下に記したい。
「わたしが読んで理解したところによれば、無能呼ばわりされているこの同僚は、
- 自分の給与に対して決定権を持つ人々の懸念事項やニーズ、願望を見つけ出し、それに耳を傾けている
- 基本的な技術問題を解決する能力がある
- より困難な問題に直面した際には、チーム内の経験豊富な人々にアドバイスを求めるようにしている
- 解決策を伝授してくれた人に対してその解決策をもう一度述べ、自分は理解できたということを示すことによって、積極的傾聴を実践している
彼は、わたしが見習い、そうありたいと思っているプロフェッショナルのタイプのように思える」
答えは1つだけではない
この話から自らのキャリアにおける同様の状況を思い起こしたというメンバーもおり、その中には自身が悩める技術者の立場だったという人々と、その同僚の立場だったという人々がいた。彼らはみな概して、そういった状況を納得のいく形で解決するには、多面的な対処を数カ月間継続する必要があったと述べている。
もちろん、納得のいく解決というものは状況によって異なる。「無能な」同僚が昇進、転勤、配置転換、トレーニングの対象となったという場合もあれば、退職した、あるいは解雇されたという場合もある。メンバーであるBlue Giant氏はそのような事例について「ネットワーク管理で同様の状況を経験したことがある。彼女はスマートなうえに好感の持てるタイプだったし、複数の資格を保持していたが、実世界では何も適用することができなかった。・・・われわれは、ここで提示された多くの方法・・・コーチングやカウンセリングなど・・・を用いて彼女の能力を引き上げようとした。・・・彼女の無能さが上級マネジメントにも分かるようになったころには、賢明な彼女は解雇される前に別の職を見つけていた」
変化の実現
では、悩める技術者はどう対処するつもりなのか?われわれは彼に連絡をとり、さまざまなメンバーが寄せてくれた提案をどう思ったかということと、彼の抱えている特定の状況に適用できるものがあったかどうかを尋ねてみた。彼の答えは「(コメントの)すべてが、問題をさまざまな角度から見る観点を与えてくれた」というものだった。そしてこれには、問題は彼にあると断言するコメントも含まれている。彼によれば、問題を最も正確にとらえた見方は、メンバーであるtech_republic氏による「能力主義に基づいて運営されている企業は非常に少ない。たいていの企業は政治と印象操作に基づいて運営されている」というものだったという。彼は、自身の状況に対するいささか暗い総括にもかかわらず、TechRepublicのメンバーたちから得た観点が、建設的な変化を起こすために役立つだろうという楽観的な見通しを示してくれた。みなに伝えたい洞察をお持ちであれば、ディスカッションにあなたの意見を書き込んでいただきたい。