オフィスアプリケーションは1つでない--価格性能比で考える

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有 2007年04月24日 08時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 一般的に、中小企業の経営者は大企業をうらやましく思っている。特にIT部門の話にはこれが当てはまる。大企業は、中小企業にとっては夢でしかないようなハイエンドのサーバやネットワークインフラを利用できるだけの予算を持っているからである。

 しかし、大企業よりも中小企業の方が実際には多くの選択肢を持っている場合もあるだろう。大企業の環境でソフトウェアの大規模な変更を行うのはときとして非常に困難だ。膨大な数のユーザーを抱えている企業は、現在利用しているアプリケーションに対して、金銭面でも時間の面でも大きな投資を行ってきている。思い切って新しいアプリケーションに切り替えるという選択は、たとえそのアプリケーションが今より魅力的な機能を備えていても、あるいははるかに安価であったとしても、受け入れてもらいにくいかもしれない。また、変更を実現するためには、複数の管理者層からの承認を得る必要もある。

 中小企業は、巨人ゴリアテを倒した羊飼いの少年ダビデのように、大企業よりも機動的に行動することができる。アプリケーションの変更は大企業の場合ほど大変な作業にはならないため、特定のベンダーや製品に縛られにくい。そのため、予算の厳しい多くの中小企業のなかには、オフィス生産性向上スイートといった使用頻度の高いソフトウェアアプリケーションに関して、今後とり得る選択肢を検討しているところもある。

現状維持を見直す契機の到来

 規模にかかわらずほぼすべての企業で、事務処理を行うためにオフィスアプリケーションが必要とされる。そういったアプリケーションには、手紙や契約書などの印刷を要する文書を作成するためのワープロソフト、経費やその他の会計事務を記録するための表計算ソフト、電子メールを送受信するための電子メールクライアントソフトが最低限含まれる。また、事務職の社員には、日程やさまざまな連絡先情報を管理したり仕事の締め切りを守ったりするための手段も必要だ。さらに、職種によってはスライド形式のプレゼンテーションを用意したり、大規模情報データベースを利用したりする必要もある。

 これまで10年以上にわたって、大半の企業はこういった仕事をするうえでMicrosoft Office Systemのアプリケーション製品--WordやExcel、PowerPoint、Access、Outlook--を頼りにしてきた。OfficeはWindows用もMacintosh用も販売されており、そのシェアはオフィス生産性向上ツール市場の90%以上を占めている。しかし、Office以外の選択肢も存在しており、新たな製品が登場し続けている。Office 2007の価格が239ドル(Office Standard 2007のアップグレード価格)から679ドル(Office Ultimate 2007の通常価格)もするため、予算の厳しい中小企業のなかにはOffice以外の製品に目を向けるときがきたと判断するところもあるかもしれない。Office 2007のさまざまなエディションに関する価格情報はMicrosoftのウェブサイトを参照してほしい。

Officeを使い続けるメリット

 とはいえ、まずは数多くの企業が価格に関係なくMicrosoft Officeを使い続けている理由を考えてみたい。企業の90%以上がOfficeのいずれかのバージョンを利用していることで、Officeのファイルフォーマットが情報交換の標準となっている。この点は当然ながら重要である。パートナーや顧客にドキュメントを送信する目的は、彼らにそのドキュメントを開いて読んでもらうことだからだ。他方において、Officeのシェアが高いため、その競合製品の大半は.docや.xlsあるいは.pptという馴染みあるフォーマット(拡張子)のファイルをオープンしたり保存したりすることができるようになっている。2007年1月末に一般ユーザー向けにリリースされたOffice 2007では、XMLベースの新たなファイルフォーマットが導入されている。競合他社がこの新フォーマットを速やかにサポートすることはほぼ確実だろう。Novellは2006年12月、自社のOpenOffice.orgスイートで、Microsoftのこの新たなファイルフォーマット(.docx)をサポートするためのアドインを提供していくと発表した(訳者注:なお、このアドインは現在Novellのウェブサイトからダウンロードすることができる)。

 ファイルの互換性が問題とならない場合、Microsoft Officeを使い続ける理由は何だろうか?もう1つの問題として、OSの互換性がある。Officeの代替製品のベンダーは自社製品をWindows上で動作可能にしているが、Microsoftは自社製品の互換性を保つうえではるかに優位に立っているという意見もある(よりうがった見方をする人々は、Microsoftは競合他社製品に生じる互換性問題を意図的に発生させているとまで主張している)。しかし、大半の競合製品の最新バージョンはかなり安定している。

 また、サポートは他の製品、特にオープンソース製品への乗り換えにおけるもう1つの懸念となり得る。フリーソフトウェアに関しては、有償サポートを提供するコンサルタントも存在する(ただし高額かもしれない)とはいえ、大半のサポートはユーザーコミュニティを通じて行われる。他の商用ソフトウェアの場合、ベンダーはMicrosoftと類似のサポートを提供している。ただし、そのサポートサービスの品質はさまざまである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
運用管理

関連ホワイトペーパー

SpecialPR