--じゃあスーパーコンピュータは、メインフレームコンピュータやボットネットの一種だっていうこと?
いいや、これらの異なるハードウェアの何が大きく違うかを説明しようか。スーパーコンピュータは、少数のプログラムをできるだけ速く実行することにそのすべての処理能力を振り向ける。これに対して、メインフレームは多くのプログラムを同時に実行するし、ボットネットはスパムやウイルスを大量に作り出したり、DoS(サービス拒否)攻撃を仕掛けたりすることに処理能力を使うんだ。
--そんなに多くのハードウェアを使うなら、スーパーコンピュータはあまり環境に優しくないものみたいだね?
その通りだけど、科学者たちはその面でも研究を進めている。従来の同等品と比べてエネルギー効率が10倍で、最大時には300倍高速なMaxwellという「グリーン」スーパーコンピュータが、2007年になってすぐエディンバラで初公開されたんだ。
--スーパーコンピュータは誰が何のために使うの?
典型的な用途は科学技術計算だね。この分野では、非常に大きなデータベースを扱ったり、膨大な計算を実行したり、その両方を行ったりする必要がある。その応用例の1つとして、新薬の開発期間を大幅に短縮できそうな研究を実施するために、スーパーコンピューティング技術が利用されている。でもスーパーコンピュータは、研究所を出てビジネスの現場でも利用されるようになってきているんだ。
--どんなビジネスで使われているの?
F1のチームがスーパーコンピューティング技術を導入している。AT&T Williams F1チームとBMW-Sauberチームはどちらも、それぞれ別のスーパーコンピュータを使ってエアロダイナミクス(空気力学)の技術開発を強化したんだ。
IBMもBlue Gene/Pという別のスーパーコンピュータを開発中で、IBMでは、3ペタフロップスを超える処理が可能になると言っている。2007年の後半に、最初のBlue Gene/Pが米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所に納入される予定だ。
Microsoftは、ずいぶんお手頃な5万ドルという価格のスーパーコンピュータのセットまで開発したんだ。
--じゃあ、普通はすごく高価なものなんでしょう?
もちろん。スーパーコンピュータは製作して設置するのに数百万ポンドかかるのが普通だ。設置後にコンピュータの冷却と稼動を続けるための電気代も相当な額になるね。