バズワード化するビジネスアナリティクス--SASが定義するBIとの違い

渡邉利和

2010-10-28 00:46

 独立系としては世界最大のビジネスアナリティクス(ビジネス分析)企業であるSAS Instituteは10月26日(米国時間)、米ノースカロライナ州キャリーにある本社に各国のプレスを招いて「SAS Media Day 2010」を開催した。

事実に基づく意志決定が主流の戦略に

 同社のSenior VP兼CMOのJim Davis氏は、SASの現状を概観し、経済危機が同社にとっては追い風になっているとした。

Jim Davis氏 SAS Institute Senior VP兼CMOのJim Davis氏

 この1年ほどは、市場でも意志決定を支援するためのアナリティクスの重要性が認められてきたとし、「2009年は“Awakening”(気付き)の年、2010年は“Establishment”(確立)の年」と位置づけた。同氏は、「アナリティクスと“事実に基づく意志決定”(Fact based decision making)が企業におけるメインストリームストラテジーになってきた」という。

 これを受けて同社の業績も成長を続けており、2009年の売上は23.1億ドルを記録した。この結果、1976年の創業以来34年連続で増収増益を記録し続けているという。

SAS Institute――その成長の軌跡

 Davis氏によれば、SASの成長過程は大きく3つのフェーズに分けられるという。

 第1フェーズは創業の1976年〜1985年頃までで、この頃同社は市場が求めるデータアクセスエンジンなどの製品や技術を提供していた。

 第2フェーズの1995年ごろからは、企業の問題解決を支援するためのソリューションの提供に注力を始めた。この頃はまず機能に注目した水平型のソリューションを提供していたという。

 そして、2000年頃からは第3フェーズとして、業界別の垂直型ソリューションの提供に注力し始めている。

SASは現在、業界別の垂直型ソリューションに注力している SASは現在、業界別の垂直型ソリューションに注力している※クリックで拡大画像を表示

ビジネスインテリジェンスではなくビジネスアナリティクスを

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ランサムウェア対策をマンガで解説、手口や被害のデータから見る脆弱性放置の危険性とは?

  2. セキュリティ

    セキュリティリーダー向けガイド--なぜ今XDRとSIEMの違いを理解することが重要なのか

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. セキュリティ

    マンガで解説、「WAF」活用が脆弱性への応急処置に効果的である理由とは?

  5. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]