IoT製品が普及する一方、接続デバイスに多くのセキュリティの問題が存在する。IoT製品を個人データを完全に消去して次の持ち主 に知られないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。前編ではコンピュータ、タブレット、携帯電話、スマートカー、ゲーム機などに言及しました。今回は後編です。
スマート家電
家の引越しにあたっては、接続可能デバイスやそこに保存されているデータも考慮する必要があります。住宅購入契約によっては、前の所有者が設置したIoT製品を新しい所有者が引き続き利⽤することがあるとする条項が記載されているものもあります。
NestThermostatなどのスマート家電から個人データを削除する手順は比較的簡単ですが、引越しの忙しさに追われて忘れてしまいがちです。Nestなどのスマート家電では、デバイスをオンラインアカウントから削除し、製品を出荷時設定にリセットすることができます。
この方法を利⽤すれば、デバイスから確実に情報が削除されて、新しいユーザが自分のアカウントの設定をすぐに始められるようになります。
引越しの際に接続可能なスマート家電のデータを消去するのを忘れると、売却した家の新しい持ち主に個人情報を知られてしまうことになります。
もちろん、新しい持ち主が悪意のある人物であるとは限りませんが、保護されないデータが深刻な問題であることに変わりありません。
Nestなどの多くのIoTデバイスは、個人情報保護を十分に考慮して設計されています。利⽤者の好みを分析して学習するように設計されており、利⽤状況などの情報が収集されてサービスプロバイダに送信されます。利便性の裏には、こういった相反する側面もあるのです。
スマートプリンタ、コピー機、その他オフィス機器
業務⽤のスマートデバイスの場合は、極めて重要な情報が流出する可能性があります。スマートコピー機やデジタルプリンタに関しては、情報を保存できるという特性による問題が何年も前から指摘されてきました。
したがって、自宅で使っていた業務⽤プリンタやコピー機を手放す際には、何年分もの情報を確実に消去し、他人の手に渡らないようにしなければなりません。使⽤しているオフィス機器を調べて、内蔵ストレージの有無を確認します。
内蔵ストレージがなければ、マシンに情報は保存されていないはずです。プリンタやコピー機にローカルデータのキャッシュが付いている場合、一般的には、ストレージデバイスを取り外して、通常のコンピュータストレージと同じ方法で消去できます。
コンピューティングデバイスを売却あるいはリサイクルする際にストレージデバイスを必ず取り外すようにしている企業もあります。
データを自分自身で確実に消去する方法だけでなく、ストレージデバイスやデータの完全消去サービスを利⽤することもでき、この方法であれば、ストレージデバイスそのものを物理的に破壊することもできます。
一部のハイエンドプリンタには、ファイルをメールで直接送信できる機能が付いています。メールアドレスだけでなく、スマートプリンタに保存されている可能性があるあらゆる情報を保護するために、このデータを削除してから、プリンタを売却または処分するようにしてください。
ほとんどのプリンタメーカーが、そのためのメニューオプションを提供しています。