Googleは米国時間6月19日、ユーザーのプライバシーとセキュリティをサポートする取り組みの一環として、複数による機密データセットの共同利用などを支援するマルチパーティー計算(MPC)ツール「Private Join and Compute」をオープンソースでリリースすることを発表した。
ソフトウェアエンジニアのSarvar Patel氏とリサーチサイエンティストのMoti Yung氏は、「個人のプライバシーを守りながらデータから貴重なインサイトを得られるようなイノベーションを促進する新たな研究に、われわれは絶えず投資している」と述べ、「多くの重要な研究や事業、社会的な疑問は、互いに独立した当事者のデータセットを組み合わせることによって答えが出せる。各当事者は共有された識別子のセットに関する独自の情報を保有する。そうした情報の一部は共通している」と説明している。
Private Join and Computeは暗号プロトコルであり、2組の組織などが共同で使用することが可能で、データを暗号化してから、研究目的で互いに共有できるということだ。このシステムでは、どちらの組織も生データを公開せず、すべての識別子と関連データは完全に暗号化されたままで、共有プロセスを通して読み取ることはできない。復号されて共有される唯一のものは、集約データの形になっており、いずれの組織も共通点を見いだしてインサイトを得るのに利用できる。
Googleは、Private Join and Computeについて、公共政策、多様性とインクルージョン、医療、自動車の安全基準など、研究目的にとどまらず多くの分野で広く導入できるとしている。Patel氏とYung氏は、「技術をもっと広く共有することで、安全なコンピューティングのユースケースが拡大することに期待している」とし、「これは、可能なことの始まりにすぎない」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。