Googleは米国時間9月16日、「Anthos」プラットフォームをアップデートし、マイクロサービスの接続や、フルマネージド型のサーバーレスワークロードに対応したと発表した。
Anthosは、開発者のニーズに応えるサービスであるとともに、企業向けのハイブリッドクラウド配備を念頭に置いて設計されたプラットフォームだ。Google Cloudの最高経営責任者(CEO)Thomas Kurian氏は4月の「Google Cloud Next '19」でAnthosを発表した際、企業向けのデジタル変革プラットフォームとしてアピールしていた。
Google Cloudの製品管理ディレクターであるJennifer Lin氏によると、このプラットフォームはアーリーアダプターの間で勢いをつけつつあり、銀行業界の顧客は自社の「Kubernetes」環境を標準化する方法としてAnthosを捉えているという。同氏は、規制によってクラウドにデータを移行できない業界もあるとし、「われわれはそうしたKubernetes環境をモダナイズする」と述べた。Anthosは、Google Cloudのスケールを企業内のクラウドにもたらす手段となる。
これらを考え合わせると、Anthosは短期間で拡張されつつあると言える。Lin氏によると、Anthosはクラウドに携わる3種類の利害関係者、すなわち開発者とクラウドサービス管理者、インフラのモダナイズを模索するIT幹部に狙いを定めたプラットフォームだという。
Google CloudはAnthosの顧客数を公表していないが、まずはユースケースとパートナーを増やしていくことに注力しているようだ。Lin氏によると、Anthosはインテグレーターやソフトウェア会社、ハードウェア会社を含めて40を超えるパートナーを有しているという。なお、ローンチ時点でのパートナー数は30あまりだった。さらに同氏は、マイクロサービスプラットフォームである「Anthos Service Mesh」はワークロードのオーケストレーションに欠かせないと述べた。
Anthos Service Meshは現在ベータ版であり、マイクロサービスの接続とセキュリティの確保、監視、管理を目的にしている。また、Anthos Service Meshは「Istio」のオープンAPIをベースに構築されており、アプリケーションのトラフィックを追跡できる管理者向けの統合インターフェースを備えている。
「Cloud Run」のエクスペリエンスをAnthosにもたらす「Cloud Run for Anthos」(ベータ版)も、今回追加された重要な機能だ。Cloud Run for Anthosはサーバーレスコンピューティングに向けたマネージド型のサービスであり、サーバーレスの状態でAnthosを稼働できるという能力により、開発者はKubernetesの詳細な知識がなくても、オープンAPIおよびランタイム環境である「Knative」をベースにコードを記述できるようになる。なお、Cloud Run for AnthosはGoogle Cloud環境やオンプレミス環境のいずれでもワークロードを実行できる。
さらに今回、「Anthos Config Management」に対する自動化の支援と、組織固有のポリシーを強制する機能が追加された。また「Binary Authorization」によって、検証、認証されたイメージのみがアプリケーションのビルド/リリースプロセスに統合されることを保証できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。