Salesforceは米国時間9月18日、営業チームやサービスチームの生産性向上を目的とする新たな検索機能「Einstein Search」を発表した。この新たなインテリジェント検索バーは現在、一部の顧客によって試用されており、初期の結果では作業完了までに必要なクリック数を50~80%削減できるという。
![Salesforce Einstein Search](/storage/2019/09/19/1394568c5abaf66457e637278e0deacb/einstein-seach-actionable.jpg)
検索は同社の機能のなかで最もよく使用されているものの1つであるという点を考えると、この機能が多数の従業員によって用いられた場合、著しい生産性向上が期待できるとSalesforceは述べている。Salesforceによると、1カ月あたりの検索回数は10億を超えているという。
Einstein Searchによって、同社の顧客関係管理(CRM)プラットフォーム内における検索が、いくつかのかたちでより効率化される。まず、検索結果における応答がパーソナライズされる。またこの検索ツールは、自然言語による照会に対応しており、Salesforceで利用できる具体的な言葉を理解するようになっている。このため、営業担当者は「my open opportunities in NY」(ニューヨークにおける私の機会は?)といった検索が可能になる。
また、Einstein Searchによってアクション可能な検索バーの効率が向上する。ユーザーは、検索結果から直接、自らの販売記録を編集したり、連絡先を機会につなげられるようになる。
Salesforceの製品管理担当バイスプレジデントを務めるWill Breetz氏は、エンタープライズ向けの効率的な検索ツールの開発が、考えられている以上に難しい理由を説明した。まず、企業内でユーザーによって目的がまったく異なる場合がある。販売契約をまとめようとしている、顧客サービスの問題に対応している、新しいマーケティングキャンペーンを構築しているといった具合だ。そのため、検索エンジンがユーザーの意図を理解するのは、いっそう困難になる。
またSalesforceの顧客は、それぞれ異なるやり方でCRM環境をカスタマイズし、ニーズに合わせてデータを整理している。そのため、すべての顧客に最適な単一の検索モデルを構築するのは難しくなる。
さらにBreetz氏によると、Salesforceが顧客のデータに目を向けることはない。プライバシー基準を守ろうとすれば、Salesforceは従来の機械学習技術を利用して検索ツールを改善できないという。
Salesforceによると、革新的なデータマイニングおよび機械学習の技術を利用し、パーソナライズされた結果を表示する一方で具体的なユーザー情報を匿名化しているという。
Einstein Searchは2020年に利用できるようになる予定だ。2019年冬にベータリリースに早期アクセスすることもできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。