JCBと富士通は10月10日、自己主権型/分散型アイデンティティー領域において、共同研究を開始したと発表した。自己主権型/分散型アイデンティティーとは、事業者などの第三者から提供されたID情報(アイデンティティー)を本人の意思で安全に開示することができる仕組みを指す。
共同研究では、利用者のプライバシーを守りつつ、異なる事業者間で信頼性の高いユーザーID情報の連携と活用を可能にするプラットフォームの共同開発の検討と、プラットフォームを活用した新たなサービスやビジネスモデルの検討を開始する。
共同研究の概要(出典:富士通)
プラットフォームには、オンライン上で流通するID情報の真偽判断や、自己主権でID情報の受け渡しの制御が可能なアイデンティティー流通技術「IDYX(IDentitY eXchange)」を活用していく。IDYXは、富士通研究所が開発した。
JCBは、自社が保有する決済や認証機能と、事業者間の資金精算などの運営スキームの知見を活用し、事業者が保有するID情報を相互に連携した新サービスやビジネスモデル、オペレーションモデルを検討する。富士通は、IDYXと、富士通のブロックチェーン技術に関するシステム開発、運用の知見を生かし、自己主権型/分散型アイデンティティープラットフォーム構築を推進する。
今後両社は、アイデンティティープラットフォームの実用化を想定し、各事業者が持つ機能やサービスを、業種や業界を超えて相互・横断的につなげる取り組みを進めていく。