北國銀行、日本ユニシス、日本マイクロソフトの3社が、パブリッククラウドでのフルバンキングシステムの実現に向けて導入プロジェクトを開始した。果たして、北國銀行は顧客や地域社会に喜ばれるサービスを生み出せるか。
国内初のパブリッククラウドでのフルバンキングシステム
北國銀行は日本ユニシスのオープン勘定系システム「BankVision」の稼働基盤として、日本マイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の採用を決定した。勘定系をはじめとしたフルバンキングシステムのパブリッククラウド環境での実装は国内初の事例となる。3社は2021年の「BankVision on Azure」稼働に向けて、導入プロジェクトを開始。これに伴い、3社共同で先頃、記者会見を開いた。(写真1)
左から、北國銀行の杖村修司 専務取締役、日本ユニシスの葛谷幸司 取締役常務執行役員、日本マイクロソフトの内田聡 執行役員常務サービス事業本部長、米MicrosoftのCorey Sanders(コーリー・サンダース)コーポレートバイスプレジデント(会見場所は日本マイクロソフト本社の会議室)
北國銀行はさらなる経営の効率化や自行での開発スキル向上、フレキシブルな環境変更、データ活用基盤などの実現のため、自行システムの全面的なパブリッククラウド化の方針を決め、周辺システムから順次開始した。クラウド化を進めていく中で、自らのデジタル化を推進しつつ、地域でのコンサルティング機能の発揮をはじめとする、新たなビジネス領域への拡大を図っていく構えだ。
日本ユニシスは北國銀行に対し、2015年1月の BankVision の稼働をはじめ、同行のパートナーとして、銀行事務の効率化とともに営業店窓口での顧客接点強化に向けた活動やコンサルティング部門とタイアップし、地域のデジタル化に向けた活動を行っている。
また、日本ユニシスと日本マイクロソフトは、2016 年度から共同でMicrosoft Azure上でのBankVisionの検証を実施し、2018年3月より、Azureの採用に向けた共同プロジェクトを行い、このほど自行システムの全面クラウド化を目指す北國銀行での採用に至った。
3社はBankVision on Azureによって、地方銀行のビジネスモデル変革に向けて、銀行業務のデジタル化とともに地域の産業・地域の顧客に対するコンサルティング業務やデジタル化支援を行い、地域のさらなる活性化に貢献したい構えだ。
以上が3社による発表の概要だが、さらに詳しい内容および会見の模様は関連記事をご覧いただくとして、ここからは会見で3社が提示した4つの図から、今回のプロジェクトに見る銀行システムのクラウド化がもたらすメリット、さらには新しい仕組みによって今後どのようなことができるのか、について考察したい。