インターコムは12月2日、情報漏えい対策とIT資産管理を支援するクラウドサービスの最新版「MaLionCloud Ver.6.1」の提供を開始した。人工知能(AI)を活用したレポート出力に対応するなど、機能強化が図られている。
MaLionシリーズは、オンプレミス版の「MaLion」とクラウド版のMaLionCloudがあり、ユーザー企業は自社の特性に合わせ選べる。MaLionCloudでは、初期導入費用やサーバーのメンテナンスが不要といったメリットが得られる。
今回の主な強化点は以下の通り。
AIで高度なログ分析を行い、組織の異常をレポート出力(出典:インターコム)
クライアントPCから収集した各種ログをもとに、AIによるログの多次元分析を行い、積み上げグラフなどの統計図表としてレポートを出力。具体的には、対象となるクライアントPCと集計期間を指定してログを出力し、「AIレポートプログラム」に取り込むことで異常値や傾向などが自動的に分析され、Excel形式のグラフレポートが得られる。分析結果には、異常の度合いが高い順にクライアントPCのログがリスト抽出され、統計グラフおよび「100」を最良とする総合スコアが表示されるため、傾向の把握や対応が容易に行える。
従来比5倍以上の高速ログ検索、1契約当たりPC1000台までの監視に対応
MaLionCloudサーバーとクライアントPC間の通信処理の方法を見直すことで通信処理回数を低減させた他、収集したログをデータベーステーブルへ格納する際の方法を見直すことでログの検索速度を向上させるなど、各種の改善を施してクラウド上で管理するMaLionCloudサーバーの処理性能を大幅に改善。ログ検索をはじめとする処理では従来比5倍以上に性能を向上した。この性能改善に伴い、監視できるクライアントPCの上限台数も、これまでは1契約当たり600台までだったのに対し、1契約当たり1000台までに拡大。
残業管理レポートの改善やWindows 10更新プログラムの抑止など運用管理機能を強化
MaLionCloudでは、働き方改革に関連した機能の一環として、勤怠管理システムからの出退勤情報を取り込み、クライアントPCの稼動情報を組み合わせて従業員の残業状況などをレポート出力することができる。これまでは一連の操作を手動で実行する必要があったが、今回のバージョンではスケジュール設定による自動化が可能になった。
また、Windows 10の自動アップデートに起因するアプリケーション不具合などを避けるため、更新内容の一時停止や延期期間をMaLionCloudの管理画面から一括制御できるようになった。
その他、情報漏えい対策の一環として、Windows 10の近距離共有機能、macOSのAirDrop機能の制限にも新たに対応している。