新しいバージョンの「Windows」には必ず「Windows Defender」が搭載されているため、Microsoftは現在のマルウェアの状況に関して、どんなサイバーセキュリティ企業も到底かなわないような知見を持っているといえるかもしれない。
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米ZDNetは、年末を迎えるにあたって、インタラクティブに情報を得られるMicrosoftの「セキュリティインテリジェンスレポート」を精査し、Windowsユーザーが2019年に経験した、マルウェアやセキュリティに関する状況の変化を振り返った。
同社が収集したデータによって、過去1年間のランサムウェア、クリプトマイナー、そしてマルウェア全体の検出件数は前年同期比で減少しており、2年前と比べても減っていることが明らかになった。
Microsoftは「2018年(および2019年)にマルウェアの遭遇率が全体的に低下したのは、『Windows 10』の導入率が増加し、保護にWindows Defenderが使用されることが増えたからかもしれない」と述べている。
Windows 10とWindows Defenderは、この5年間でさまざまなセキュリティ機能の改善を受けており、最新のWindows 10を搭載したシステムではマルウェア攻撃キャンペーンの効率が落ちている。
グラフを見れば分かるとおり、マルウェアが発見されたWindowsマシンの数は、2018年の初めにはWindowsエコシステム全体の6~7%だったが、2019年10月には減少している。
同様の減少傾向は、ユーザーの同意なしに隠れて仮想通貨(暗号資産)をマイニングする、クリプトマイナーでも見られた。
Microsoftのデータによれば、クリプトマイナーの検出件数は2018年初め頃に全Windowsシステムの0.3%弱に達したが、それをピークとしてその後緩やかに減少を続けている。
ランサムウェア全体の検出件数も同様のパターンで減少しており、2018年1月には全Windowsシステムの0.11%でランサムウェアが検出されていたが、2019年10月には減少した。